疲れているのだろう。パソコンの前に座ってニュースを見ていても、いつの間にか瞼が落ちて体が揺らいでいる。あの女が隣に座って左の耳もとで何かささやいているようだが、あたたかくてとても湿った吐息だけが穴の周りを漂っている。時
耳もと

芦屋芸術は詩・小説・文学・音楽・絵画・・・etc 同人誌の発行とWEBでの表現を応援する芸術コミュニティサイトです。
疲れているのだろう。パソコンの前に座ってニュースを見ていても、いつの間にか瞼が落ちて体が揺らいでいる。あの女が隣に座って左の耳もとで何かささやいているようだが、あたたかくてとても湿った吐息だけが穴の周りを漂っている。時
ダイニングテーブルの左端の辺りに何か小さな肉片に似たものが置いてある。朝食のパンを頬張りながら、不審な気持ちになってそれをじっと見つめてしまった。そうだ。今日は平日だ。仕事に出かけなければならない。肉片から目を離し、私
岡崎葉さんから詩誌が送られてきた。何故送られてきたのか、その「いきさつ」はあるのだが、それは書かない。 「モデラート」54号 2023年3月25日発行 55号 2023年11月25日発行
この土曜日、日曜日は忙しくて亀の世話が出来なかった。月曜日か、遅くとも火曜日にはやらなければならない、そう自分に言い聞かせて日曜の夜ベッドに横たわった。 スマホを見ると、午前三時。ヨシ。きょう亀の世話をしよう。私は顔
先週の日曜日は朝から町内会の清掃作業に参加したため、芦屋ビーチクラブの活動はお休みした。今週は、いつもと違って、きのう、10月14日の土曜日の午前8時から芦屋浜での活動は始まった。 というのも、去年に引き続き、芦屋ビ
結び目が ほどけた 闇に向かって 転落した
私は特段和歌や連歌や俳句が好きではない。この本を手にしたのは二十六歳くらいの時だった。ざっと読んだのかもしれない。記憶には残っていないけれども。おそらく著者が七十五歳から八十四歳までに書いた日記を読んだからといって、二
きのうの夕方五時半ごろ、友達とイタリアレストランで食事をした。赤ワインのボトル一本と二つの白いグラスワイン。九時になって別れた。 私はその足で近くのカラオケスナックへ行った。先客は四人いた。コロナ騒動以来、客足はずい
キッチンのカウンターに置かれた電気ポットの中の湯が、どんどん冷たくなっていく。電気コードを調べてみたが、コンセントから外れていない。とうとう常温になってしまった。 スローモーションビデオでも見ているみたいに、ポットの
さえぎるものはなかった ただ あなたを愛し続けていた
何も残さない方がよかった あなたのからだに 弾丸を残してしまった
浮かんでくるためには あなたは 沈んでいなければならない はたして そうか ただ浮かんだり沈んだり いつも反復運動をしているのではないか だったら なぜ 彼は沈んでいなければなら
芦屋芸術18号が出来ました。内容は以下の通りです。 contents <招待作品> 小詩集 私のおじいちゃん スミレ 5 井戸 他三篇
こんな鄙びた駅の構内に瀟洒なカウンターがあった。私の左に女医、右に会長が立っている。彼らの前には赤ワインが注がれたワイングラスが置かれているが、私には水が入った円筒形のコップが出されている。 カウンターの奥に腰かけて
いきなり涼しくなってきた。朝夕はヒンヤリする時もある。長袖が欲しくなる。 けさ、一週間ぶりに八時半ごろから亀の池を掃除した。気温が低くなったからだろう、心なしか亀の動きがおとなしい。それでも時間がたつにつれて、体があ
ゆくすえ短い命 そう思いつづけていた いや もっと正確に言えば そう思い 悩み つづけていた この際 はっきり 言っておこう あすは ない いいじゃないか
矢が鼻たれた ついこう書いてしまった ダメじゃないか きついオシカリを受けた 申しわけありません 誤字の恐ろしさを知った 楽屋裏がうるさかった もうすぐ出番だよ あわてて 目が覚めた
いったいこれは何だ 最初はくちびるだとばかり思っていたが どうやらそうじゃないらしい 左手だろうか 耳か 親指か ふとももか それとも首かもしれないが…… けっして細くはない 毛じゃないのは確かだ まさか右足ではあるまい
それは画期的な技術だった 脳から闇の世界を消去するアプリ 耳たぶに接続するだけで 絶望 不安 怨恨 憎悪 苦悩 悲哀 よからぬ妄想 すべてが消滅していた 黒がない 否定するものがいない まっ白だった イイネ! 感極まって
なんの変哲もない平面 そう思っていた しかし 歩くたびに 足跡がついていた 振り返ると 足跡の先は 地平線に消えていた
朝方まで雨できょうの「芦屋ビーチクラブ」は中止だろうか、少し迷った。だが、七時ごろから雨模様の曇天だったが、雨は落ちてこない。ヨシ。私はユニホームのTシャツに着替え、ズボンの後ろポケットに軍手を詰め込んで、家を出た。
きょうは土曜日。午前八時半ごろから亀の池の掃除を始めた。基本的には週一度、土曜日にやっている。平日は午前中事務所に出で昔ながらのビジネスに取り組んでいる。余程のことがない限り、やれるまでやるつもりでいる。また、日曜日の
昨夜、中秋の名月ということで、七時前に家を出た。近くの親水公園でゆっくり楽しもう、夜空を見あげながら向かった。 たくさん人が出ていると思っていたが、誰もいなかった。公園をさまよいながら、さまざまな場所から月をスマホで
Ⅰ つるってん くるってん やめってん かえってん Ⅱ それってん つくってん たべってん しぬってん Ⅲ ぐじゃってん くさってん やいってん けむってん
鳩が鳴いている この公園の東の片隅の どこかで 二羽 鳴いている 帽子
さまざまな夢があると思う 好きなアイスキャンディーをしゃぶっていたり 金貨の雨が降ってみたり 片思いの人が隣で寝ていたり さまざま 昨夜 頭が 破裂した すごい音がした 両耳がはずれ すっ飛んだ 驚いたこと
死ぬ前に とりあえず 夕方 食パンを買って あしたの朝 スライスチーズをのせ いつも通り トーストを食べなければ エキストラバージンオリーブオイルとともに そうだ とりあえず 死ぬ前に
あり得ない話が実際にはあった。私は自分で経験するまで、噂では少し耳にしていたのだが。 都会の中心を走っている綺麗に舗装された百メーター幅の道路。ネオンサインや街灯で夜を知らない、闇に輝く街路。その歩道を歩いていた時、
毎週日曜日朝八時から九時頃まで芦屋浜の清掃作業をボランティアでやっている芦屋ビーチクラブ。きょうは特筆することがあった。「あしや部」のメンバーが参加したのだ。 ここで「あしや部」をちょっとだけご紹介。 この組織は、
昨夜は友達と夜六時過ぎに落ちあって阪神芦屋近辺の居酒屋で九時頃まで飲み、その足で近くのカラオケスナックで遊んだ。友達とは一回りくらい年が上なので、歌の傾向が違い、私の場合、戦後から七十年代くらいまでの昭和の歌。例えば、
既に弁護団とは打ち合わせが始まっていた。弁護団とは言っても、弁護士とその助手二名に過ぎないが。 首を上下に振りながら弁護士は熱弁をまくしたてていたが、終わってみれば、何を話し合ったのかもうほとんど記憶にない。しかし、
久しぶりにプールへ行った 飛び込み台から飛び込んだものの 泳ぎ方がわからなかった なんとか犬かきでもがきながら二十五メートルを泳ぎ切った へっぴり腰でターンしていよいよもがき苦しんでいるうちに 体から水泳の記憶が蘇ってき
きょう、コロナワクチン8630万回分を廃棄する、厚生労働省が発表した読売新聞のそんなニュースを私はネットで読んだ。詳細はこうだ。モデルナ製ワクチンが供給された約7000万回分のうち約5150万回分(74%)。ファイザー
がっちゃんこ ごっちゃんこ そんな音がする 頭の芯で クツワムシが鳴いている 秋の歌 頭に芯なんてあるのだろうか
これは蓋だと言われて、驚いてしまった。てっきり膜だと思っていたので。どうやらかぶせているだけで、くるっと回せばすぐにはずれるらしい。 まぎらわしいったらありゃしない。眉間にしわを寄せてわたしはハンドバッグにそれをかた
夜七時、銀座四丁目の新橋側の交差点手前、信号赤で停車。青に変わったのを確認して発進。交差点を渡り切った時、右方の横断歩道上に女性を発見。急停車するも、その女性と接触したのか。後部座席に座っていた私には、接触する寸前に停
きょうは日曜日。いつものように朝八時ごろ、芦屋浜へ。 暑い。それでも仕事ははかどった。月並みではあるが、何事も経験だと思う。まず、やってみることだと思う。毎週日曜日の朝八時から九時ごろまで余程のことがない限り二ヶ月く
きょうは庭の水撒きをした後、亀の池の掃除に取り掛かった。午前八時前。朝夕は少し涼しくなってきたが、それでも作業をしていると汗だく。 午後からある詩人の出版記念会に梅田まで出かけなければならない、そんな思いがふと脳裡に
資料は三つの山に分かれていて、すべてを受け取るためには三日かかることが分かった。何とか一日で済ますことが出来ないか、三度にわたり打診したが、それは無理だ、とても無理だ、その都度そんな回答が返って来るのだった。 資料は
永井ますみさんから送られてきた詩誌を一通り読んでみた。 「リヴィエール」190 発行所/正岡洋夫 2023年9月15日発行 私は贈られてくる本は、表紙から裏表紙まで、余程のことがない限り
もっとも愛したものが もっとも苦しんでいる 九年が過ぎていた
永井ますみさんから詩誌が送られてきた。 「現代詩神戸」282号 編集/今猿人・神仙寺妙・永井ますみ 2023年9月10日発行 この詩誌は、十五人の作者で二十一篇の詩、エッセイ・書評それぞ
金箔の天井にたくさん墨絵の足裏が描かれている。じっと見上げていると、時に、あちらこちらへ移動している。頭から足まではすっかり消えていて足の裏だけが、移動するたび、ぴたぴた音がする。おそらく足裏の黒い皮だけが天井を歩いて
「芦屋にドッグランを」、この言葉を合言葉にして、私達「ドッグラン設置会」は現在まで活動を続けています。この六月二十七日には我々メンバーと長谷議員の立会いの下、高島市長と面談、市長も積極的に私達の意見に耳を傾けてください
きょうは日曜日。いつものように朝八時、芦屋浜へ出た。もうみんな浜の清掃作業をしている。 浜は大きなゴミが少なく、比較的キレイだった。かなり西の方まで作業がはかどった。 トテモ楽しいことが一つあった。リーダーの中村さ
きょうの出だしは多忙だった。どちらかといえば、人生の晩年にもかかわらず私は毎日多忙だが、きょうの朝は特に多忙だった。 朝三時半に起き、昨夜描いた挿絵に付ける詩を完成させ、ホームページに発表。五時になっていた。三十分余
初めて出会っただけなのに、何故か彼女は以前から親密な関係だったと私は感じた。一メートル前後まで近づいた時、まだ私の手足の皮膚のどこかで記憶に残されている彼女の体の温もりさえ覚えた。他愛ないおしゃべりをしただけだが、少し
「芦屋芸術18号」を10月19日に出版します。内容は以下の通りです。 contents <招待作品> 小詩集 私のおじいちゃん スミレ 5 井戸 他三篇
宴会場は混雑していた。顔見知りはほとんどいなかった。ときおり、「あ。この人は……」、こんな言葉が口をつきそうにはなったが、顔の記憶だけで、名前が出てこない。顔といってもあやふやなもので、テレビや映画、あるいはユーチュー
西行に仮託されて鎌倉中期一二五〇年前後に成立したとされる仏教説話集を読んだ。ちなみに西行の没年は一一九〇年。若い頃に手にして少しは読んでいたが、今回は完読。おそらく西行を慕った芭蕉でさえ偽作とは思ってもみなかったであろ