芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

空気みたいに、透明に生きていたい。

サシミン 空気みたいなのがいいよね。わたし、そんなのが好き。二人だけでいて、おたがい存在感はない、接触感がない、接着剤みたいにぐっちゃりしない、くちゃくちゃくっつかない、そんな関係、わたし好きなの。   M 接

どっちが いい

真珠にする それとも 心中にする?   でも とりわけ 笑顔がステキだった   心中にする それとも まんじゅう にする?   中指だけでもいいから もう一度 欲しい

亀と足

 いつも土曜日の朝にやっている亀の池の掃除、今回は出来なかった。朝から自治会が年二回実施している町内近辺の掃除、それから、芦屋ビーチクラブが主催する「第四回プレイフルサンドアートin潮芦屋ビーチ2025」が芦屋浜で今年も

もっと じっと

そのままでいい そのままが ステキだ   窓の外は 雨だけれど どしゃぶりだけれど   そのままでいい じっと もっと   カーテンが揺れるように 窓の中で 白いスカートが揺れている

芦屋ビーチクラブ その84

 2025年10月18日、土曜日。前日までは雨の予想だったが、当日になるとなんと曇り空。ときには晴れ間さえ出ていた。     第四回プレイフルサンドアートin潮芦屋ビーチ2025    もう四年目だっ

ルイ・アラゴンの「イレーヌ」を読む。

 こんな作品を読んだ。    「イレーヌ」 ルイ・アラゴン著 生田耕作訳 白水社 1990年6月10日第2刷    この本は1928年にフランスで発刊され著者不明であったが、現在はアラゴン作だと確定さ

彼女は死んでいた

そうだろうと思っていた そんなところだろうと だって 実際   消えていく 家に住んでいた小さな虫でさえ この世から消えていく なぜって これ以上この世で生きているのが 辛いから   日照り 猛暑 外

エマニエル・アルサンの「エマニエル夫人」を読む。

 最近、エロティシズムを主題にした作品をあれこれ読んでいるが、この本もその一冊だった。    「エマニエル夫人」 エマニエル・アルサン著 川北祐三訳 二見書房 昭和50年2月20日18版    映画で

残されて

残されて 十一年   あたかも まだ あなたが そばにいるかのごとく   馬鹿の一つ覚えか 毎朝 あなたの骨壺の左右に あきもせず   生け花を飾っている あなたの望んだ散骨も出来ず 骨は

芦屋ビーチクラブ その83

 きょうは日曜日。もちろん、言うまでもなく、朝は芦屋浜へ出かけ、芦屋ビーチクラブに参加。浜の北側を東西に走る堤防沿いの雑草を抜いていた。  こんなことがあった。堤防の階段を散歩しているワンチャン連れの友達にあった。「いつ

亀と紫のアメジストセージ

 夜のスナックでグラスを傾けながら、私はさまざまな人とおしゃべりをして楽しんでいる。口の中へは、いつも、基本的には、ウイスキーの水割りを落として。  また、そこで知り合った酔客やスナックのスタッフたちと、別の日、少し贅沢

ベルナール・ノエルの「聖餐城」を読む。

 こんな冒険小説を読んだ。    「聖餐城」 ベルナール・ノエル著 生田耕作訳 河出書房新社 1974年5月28日初版    冒険小説といっても、どこか外部の世界、秘境だとか異星だとかそういった世界を

ひとまず だが どこで?

最近 頭の中に 何も 浮かんでこない   辺りは いちめん 灰と闇のまだら模様   旅は終わったのだろうか ひとまず   だが 港が見えないじゃないか   いったい どこで上陸すれ

結局 あなた ひとり

わたしは ただひとりの読者に向かって 書き続けている   わたしが 去れば この読者も この世から消える ただひとり あなたにだけ この手紙が届けば それでいいのだから   そう思わないか 夜が来れば

ポーリーヌ・レア―ジュの「O嬢の物語」再読

 記憶をたどれば、おそらく、私がこの本を手にしたのは二十代後半だったろう。あれからもう五十年くらい経ってしまった。    「O嬢の物語」 ポーリーヌ・レア―ジュ作 澁澤龍彦訳 角川文庫 昭和51年4月20日12

どうして こんなにも

くちばしを逃れて 生きてきた 紅色の   けれど なぜいとしいのだろう どうして こんなにもいとしいのだろう   地の果てまで 逃れるほどに 紅色の

亀、夜遊び、彼岸花

 今週の夜は、飲み歩くことが多かった。火曜日と水曜日は帰宅したのが午前零時を過ぎていた。そして、きのう、金曜日の夜は、けさ、三時過ぎに帰宅した。  十一時を過ぎて、立ち上がろうとしたこともあったが、そのたび、なじみの客が

その指

夜が 怖い   あたりには くちびる 泳いでいる いっぱい   背中には 歩いている 足 足 足 そして音   でも まだ わたくしは愛しています その指

詩誌「布」四二号を読む。

 先田督弘さんから詩誌が送られてきた。    「布」四二号 2025年9月20日発行    今号は四人の詩人が五篇の詩を発表している。また、<ひとこと>の欄ではそれぞれの詩人の近況や思いなどが語られて

深夜の会話

 午前零時を過ぎていた。深夜のスナック。狭いコの字型に曲がったソファー。小さなテーブルを囲んで、三人の男女がおしゃべりに夢中になっている。しばしMだけ沈黙して、唇にグラスを傾けた。あとの二人の男女は酔眼でよろめきつつたが

ジャン・ド・ベルグの「イマージュ」再読

 この本を読んだのは三十歳前後の頃だろう。過日、マゾッホの「毛皮を着たビーナス」を再読したので、この作品ももう一度読んでおこう、そう思った次第だった。    「イマージュ」 ジャン・ド・ベルグ著 行方未知訳 角

芦屋ビーチクラブ その82

 確かに秋めいてきた。といって、もう九月の終わりに近づいたのだけれど。  きょうも、日曜日の朝は芦屋浜の雑草を抜いていた。バカの一つ覚えだろうか。もちろん雑草だけではなく、その周辺に散らばったタバコの吸いガラ、捨てられた

亀、キキョウ、彼岸花。

 きょう未明、二時過ぎに帰宅。昨夜もスナックで、さまざまな物語が酔客の口もとから流れ出た。男と女と。さまざま。統一理論や統一見解は崩壊した。彼、彼女の常識に毛が生えたような表側の話ではなく、裏側だった。個別の、アナーキー

マゾッホの「毛皮を着たヴィーナス」再読

 この著者の作品は、「残酷な女たち」という中短編集を読みその読書感想文を去年の9月5日の芦屋芸術のブログに投稿している。興味のある方は参考にして欲しい。    「毛皮を着たビーナス」 ザッヘル・マゾッホ著 種村

ひっそり そして やがて

誰もいない庭が 頭の中に浮かんでいる   物音もなく 移動していく   ひっそり 頭の東から 西へ   庭は消えていた やがて 暗い泡に満たされて   いっぱい 静かな泡に

ウォルター・デ・ラ・メアの「ムルガーのはるかな旅」を読む。

 この著者の長編幻想小説「死者の誘い」は今年の五月に芦屋芸術のブログに紹介している。このたび、同じ著者のこんな長編作品を読んだ。    「ムルガーのはるかな旅」 ウォルター・デ・ラ・メア著 脇明子訳 ハヤカワ文

濃緑の液体

 まだら模様が、彼の眼前で、次第に形を成してきた。不思議なこともあるもんだ。全体がつぶつぶのシズクで覆われていたまだら模様の画面に、ひとつの形が、顔だ、顔、間違いない、あの人の顔が。  まだ生きているのかもしれない。なぜ

詩誌「リヴィエール202」を読む。

 永井ますみさんから詩誌が送られてきた。    「リヴィエール202」 発行所/正岡洋夫 2025年9月15日発行    この詩誌は、十四人の執筆者が十五篇の詩作品、そのうち六人の方が六篇のエッセイ、

芦屋ビーチクラブ その81

 やはり日曜日の朝は雑草を抜いていた。いつも作業中、余計なことばかり頭に思い浮かべてしまうが、きょうはほとんど無心に雑草を抜き続けた。  あえて「ほとんど」と断っておいたが、というのも、雑草を抜きながら、私は「雑草」とい

亀と靴、そして「無名の草」

 きょうは午前零時過ぎに帰宅した。最近少し寝不足なので早く帰ることにした。それにしても昨夜、二軒目のスナックは見事だった。二人連れの女客と五人連れの女客が意気投合して、最後は大合唱。男客一人の私は呆然としてソファーに座っ

オレ達の習性

 虫がいるのかもしれない。いや、そうに違いない。朝起きると腋の下や腰回りなどで、カユイ。カユクてタマラナイ。最近、そんな朝が、シバシバ。しばらく、腕組み。これでは、ダメ。オレの将来は暗い。Mはそう結論付けた。早めの対策が

「芦屋芸術24号」を出版します!

 芦屋芸術24号の編集・校正が出来ました。発行日は今年の11月1日です。本日、原稿をいつもお願いしているコーシン出版に送ります。内容は以下の通り。ご期待ください。尚、芦屋芸術の今年の出版はこれでオシマイ。芦屋芸術25号は

枯葉の宿命

秋になれば 乱れ落ちている 生命の枯葉が あちら こちら   先生 汚泥の中に落ちて もがき苦しんで暮らしてるって そんな生物 いるって ほんとですか   いい質問だね そんな生物は 結局 汚泥が好き

詩誌「現代詩神戸」290号を読む。

 永井ますみさんから詩誌が送られてきた。    「現代詩神戸」290号 編集/今猿人・神仙寺妙・永井ますみ 2025年9月10日発行    今号は十八人の執筆者が二十一篇の詩作品、詩集評一篇、エッセイ

復活はない

解がいくつもある場合があることを わたしは知らないわけではなかった むしろ 生活では各自それぞれ ほとんど無数の解があるのかもしれなかった 君の言う通りだ 確かにそうだろう だが それじゃあ  こいつはトテモ不可解ではな

芦屋ビーチクラブ その80

 きょうは日曜日。朝八時からいつも通り、芦屋浜の清掃作業へ。  少年たちから大人まで、浜の周辺は賑わっている。駐車場には、芦屋市消防本部から消防救援隊の車両が一台待機している。いったい何が。  潮芦屋アクアスロン大会が本

亀と転落劇

 昨夜、いつものようにスナックで遊んだが、二軒目で飲んでいると、以前ここでご一緒した女性が遊びに来た。再会。二人でおしゃべりをしたり、カラオケを楽しんでみたり。とにかく彼女の歌はプロ級で、若い時に芸能界に入っていたら、そ

力津耀子詩集「記憶のジグソーパズル」を読む。

 力津耀子さんから詩集が送られてきた。    「記憶のジグソーパズル」 力津耀子著 発行所/さいけい舎 2025年8月15日発行    まず発行日を見てもらいたい。終戦記念日である。初めて出版する詩集

水の中の激情

 おそらく夢を見ていたのだろうか。だったら、どうして、こんなにも体が濡れているのだろう。頭髪から足の爪先までびっしょり。ぬるりん。肩や腰からいっぱいシズク垂らして。  魚は二十三匹いた。そんなに大きな魚ではなかった。全長

文芸誌「ブーゲンビリア」第2章第4号を読む。

 直樹一雄さんから文芸誌が送られてきた。    「ブーゲンビリア」第2章第4号 発行者/直樹一雄 2025年9月1日発行    五人の執筆者が十篇の詩、五篇のエッセイ、そして小詩集と小説を発表している

「絶対」が存在する

帰って来ないことは わかっていた 君にそんなお説教をされるために ボクはこのお話を語りかけたんじゃあない わかってくれ もう 絶対 帰って来ないって とても悲しいじゃないか 悲しすぎて 涙も出ないじゃないか

「風のたより」31号を読む。

 伊川達郎さんから文芸誌が送られてきた。    「風のたより」31号  発行所/風のポスト 2025年9月3日発行    今回は、三人の執筆者が、それぞれ詩、連載中の評論、それからエッセイを発表してい

芦屋ビーチクラブ その79

 きょうも芦屋浜の雑草を抜いていた。日曜日の朝、恒例の芦屋ビーチクラブの活動日。  雑草を抜いていると、仲間の女性から声をかけられた。彼女はいつもマメシバを連れて芦屋浜のゴミ拾いをしている。そのワンちゃんが私の体にすり寄

亀と夜遊び

 猛暑が続いていたが、今朝は少しだけ秋めいていた。少しだけ秋めいて、そんな表現をしたというのも、暑いには暑いが、時折、秋をしのばせるヒヤリとした風が吹きすぎていく。きのうの夜明け頃まで台風十五号の影響で雨が降っていたが、

後藤光治個人詩誌「アビラ」23号を読む。

 後藤光治さんから詩誌が送られてきた。     後藤光治個人詩誌「アビラ」23号 編集発行/後藤光治 2025年9月1日発行    今号の「アビラ」はこういう構成をとっている。  まず巻頭に「ロラン語

湿地帯

 樹木に覆われているのだろうか。樹木のトンネルだろうか。そんな馬鹿な。待てよ。だったら、それとも、レンガとか、コンクリートだとか……外面を墨で固めたのだろうか、黒く細長い穴がずっと続いているが、いったい何で出来ているのか