芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

無数

 あの頃、手が何本あったのか、思い出せなかった。腕組みをして、昼下がりから夕暮れまで、窓辺に座って、空を見上げていた。やがて夜が来た。    空には無数の手があるのがわかった。星が無数にあるように。