芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

エリアーデの「シャーマニズム」

 十年くらい前、エリアーデの「世界宗教史」全八冊(ちくま学芸文庫)を読んだ。読んだ理由のひとつには、ボクもワイフも海外旅行が好きで、一緒にあちらこちらの遺跡を訪ね歩いたことも、多々あった。そんな旅行者には「世界宗教史」は

酒を捨てる

 ボクのワイフが亡くなってちょうど二年半。今年の一月十九日の月命日、深夜、夢の中で、彼女が来た。 「とんちゃん、もうお酒を飲むの、止めな」  だから、ここ数日、家では酒を飲んでいない。ただ、晩飯を外食した時、生ビール一杯

高木重朗著「トランプの不思議」

 「トランプの不思議」という書名を見て、米国の大統領に選ばれた「トランプ」氏を思い浮べる方も多いだろう。が、この本はそのトランプ氏ではなく、欧米のカードとかプレイングカードを日本では「トランプ」と呼ぶ習慣があり、つまりこ

空海コレクション2

 空海は、こう言う。 「仏身、即ち是れ衆生身、衆生身、即ち是れ仏身なり。不同にして同なり、不異にして異なり」(『即身成仏義』から。本書104頁)  砕いて言えば、ボクのような暗愚・痴情の徒が、即ち仏である、とこういうこと