あなたが 消えた背後から その 人のかたちをした 揺らめく空気の背後から ぼろぼろになって 崩れゆくもの 黒が 来た
月別: 2020年3月
黒い汁、切断
裂け目から黒い汁が出て 切断された! 闇が来た!
黒いフスマ
ボクと妻は南側にある兄夫婦の部屋を出て、隣に移り、フスマを閉めた。振り返ると、ボクラの部屋を挟んで、北側の部屋の畳にバケツが置いてある。そして、左の柱の陰から、前傾した父の首から上だけがヌッと突き出し、床を見つめている
ツェラン、あるいは、ビューヒナーの「レンツ」
先日、「パウル・ツェラン詩文集」(白水社刊)を読んでいて、ずいぶん昔、ボクが二十代の時に読んだビューヒナーの「レンツ」をもう一度読んでみたくなり、確かまだ手もとにあったはずだと思い、本棚を探した。それは二階の本棚で発見
黒い指
実際は 一時停止して 不意に飛び出した その赤い穴に 肌色の軟膏を塗って 再起動する方がいい あるいは この不具合を完璧に修正するためには その赤い穴に 黒い指を差し込み 埋め込んだままその指を切断して 断面に肌色の軟膏
黒い音
口から 黒い泡が出た!
黒い虫
過ぎ去っていたあやまちの時間 もうすっかり忘れ去っていた過失 すなおに謝罪しなかった汚点 自分が義しいんだと人を裁いた出来事 けれど そんなあなたの罪を罰するために きょう このいまわのきわに おびただしい黒い虫が ぞろ
「プリーモ・レーヴィ全詩集 予期せぬ時に」を読む。
胸の中には寒さと飢えと虚無しかない 心の中では最後の価値も壊れた。(本書「ブナ」から、9頁) この言葉は、観念的な虚無の世界を描写したものではなく、ナチスドイツによって製作された人間破壊装置「アウシュ
「パウル・ツェラン詩文集」を読む。
ボクはまだ二十代前半だったか、もう五十年近い昔の話になってしまうが、梅田の旭屋書店でこの著者の本を立ち読みした記憶がある。「迫る光」という書名の詩集だったと思う。何度か立ち読みした。言葉が発光しているのか、「痛いくらい
ボクの二十四歳の時の作品「月光と白薔薇と」を、改稿しました。
ぼくが二十四歳の時に書いた作品を改稿しました。 「月光と白薔薇と」 山下徹著 一九七四年五月七日 初稿 発行日 一九七四年五月二十八日 ガリ版二十部
ボクの二十四歳の時の作品「月首」を、改稿しました。
ボクが二十四歳の時に書いた作品を、このたび改稿しました。 「月首」 山下徹著 一九七四年二月十七日 了 発行日 一九七四年五月十五日 ガリ版二十部