芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

黒い虫

過ぎ去っていたあやまちの時間

もうすっかり忘れ去っていた過失

すなおに謝罪しなかった汚点

自分が義しいんだと人を裁いた出来事

けれど

そんなあなたの罪を罰するために

きょう

このいまわのきわに

おびただしい黒い虫が

ぞろりぞろり音立てて

足もとから

その歪んだおまえの顔めがけて

はいずりあがってきた!