芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

オーウェルの「動物農場」再読

 この本はおそらく一九六〇年代の日本においてそれなりに読まれたのではないだろうか? 従来のソヴィエト系の革命思想ではなく、反スターリン系の革命思想を愛好する人々は往々にしてこの著者の「カタロニア讃歌」から入って、この本や

トロツキーの「裏切られた革命」

 この本の著者は、私のような自営業者は小ブルジョア個人主義者だ、そう規定している。まさにその通りだと思う。私は徹底した小ブルジョア個人主義者に間違いはない。  この本の著者は言う、    「既存事実を崇拝するも

あなたは南に浮かんでいる

わたくしは まいにち 空を見つめている あの人が 北の部屋から 深夜 運び出されて 焼却炉の煙突から 煙になって 浮かんだ 西空を ついに 愛しあえなかった あなたの煙も また その左 南に浮かんでいる

ツェランの「迫る光」、記憶の否定の不可能性について。

 私の記憶は狂っているのだろうか? というのも、私はこの本はかつて買ったことがない、そう記憶してるのだった。だが、恐ろしいことだが、数日前、本棚の片隅にこの本が立っていた。    「迫る光」 パウル・ツェラン著

「芦屋芸術十三号」を出版します!

 すべての原稿を書き終えました。以下の三篇です。    「えっちゃんへの手紙」  「灰燼抄」  「詩画集 黒夢綺語」    発行日は四月十九日です。この号に発表する「えっちゃんへの手紙」で「連作えっち

「灰燼抄」を改稿しました!

 ちょうど四十六年前、私が二十五歳の時に書いた作品を改稿した。    「灰燼抄」 山下徹作 発行者 山下悦子 一九七五年三月発行 ガリ版20部                      二〇二一年三月一日改稿