芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

一か月の恋

 すべては灰色だと思っていた。    外界では、確かに無数の形態を持ちさまざまな色彩で彩られた物質や生命で満ち満ちているくらいのことは承知していた。けれども、外界に存在しているにぎやかな形態や色彩が私の内界の境

島が来る

島が来た わたくしに 島が来た   島が来て 初めてわかることがある   あらゆる人に 島が来る   それは無人島だ なにもない   一本の骨もなかった この島には  

詩誌「カルバート 2号」を読む。

 山中従子さんから詩誌が送られてきた、早速一通り読んでみた。    「カルバート 2号」 発行・編集 樋口武二 2023年3月5日発行    十三名の作家による詩作品を中心に評論や写真や絵や、さらに詩

「座」第74号を読む。

 津田文子さんから詩誌が送られてきた。    「座」第74号 発行・座の会 2023年2月1日発行    この詩誌は、六人の作家で十篇の詩が発表されている。  巻頭の中西弘貴の作品「水場」。微かなエロ

落山泰彦の「私の青山探訪」を読む。

 ひょんなことでこの本の作者と出会った。しかも芦屋市海洋町という同じ町内の住民だった。といって、同じ町内でも出会い、語り合うなんて、そうざらにあることではない。縁があるのだろう。生きるってステキじゃないか。  

高橋馨詩集「蔓とイグアナ」を読む。

 長い歳月をこの世で暮らしているうちに、自分の固有空間とでもいうものが生成・発展するのだろうか。そして、この固有空間では、所謂「世間」とは多少ズレたり歪んだり曲がったり外れたりしている映像や色彩や線や話し声、果ては超自然

ポトツキの「サラゴサ手稿」を読む。

 以前、私はこの作品の抄訳、「世界幻想文学大系第十九巻」(工藤幸雄訳、昭和55年9月30日初版)を読んでいる。このたび全訳が出る、そういうことで早速読んだ。    「サラゴサ手稿」(上) 2022年9月15日第

「恋愛詩篇 えっちゃんの夏」を発行します!

 今年は正月を返上してこの作品の推敲に私は没頭した。それからも折に触れ細部を修正し、きょう、やっと完成した。外見から見れば、四百字詰め原稿用紙二百七十枚くらいの恋愛小説に見えるかもしれない。しかし、よく見れば、恋愛詩篇だ

「芦屋芸術十六号」が出来ました!

 きょう、「芦屋芸術十六号」が出来上がりました。発行日は三月一日ですが、かなり早く仕上がりました。  芦屋芸術十号から十五号までは私一人で執筆していましたが、今号は二人の作家に作品を書いていただきました。また、絵も従来の

何かいる

大きな紙袋を見つけた 薄茶色で分厚い紙で出来ている 家の中で見つけたと思うのだが なんだかボンヤリしてしまって どこにあったかわからない 両手で持ち上げると 袋の口は閉ざされている ノリでビッシリ張り付けられているのか

なにをおしゃべるするために

なにをおしゃべりするために 亡妻はやって来たのだろう 雪の降り積もった 運動場を 六十数年前の バラックに近いボクの小学校の校舎 だがもう何かの展示場か事務所に変わっていたが その建物に向かって 車を飛ばした 久しぶりに

東には、待宵の月。

              KMに   西の方には 六甲山の上に 小さなラグビーボール状の紅い雲が 二つ三つ浮かんでいる あとは 風もない 雲もない 夕暮れ 東には 親水公園の 木立に浮かぶ 二月の待宵の月 &

芦屋、親水公園のお花畑にて。

 近所の親水中央公園東端にある花壇で、毎月第一日曜日の午前十時から十二時ごろまで、「南芦屋浜はなとまちプロジェクト」が活動をしている。簡単に言えば、お花畑を作る会、である。私はこの会に参加して、余程のことがない限り、月一

椅子とコタツ

わたしは この椅子に座って 毎日 詩を書いている もう一年余りで 七十歳も半ばがやって来るというのに 認知症になって施設に入所するまで この椅子に座って 詩を書き続けている そして あなたは 冬の間 ずっとコタツに足を突

伊藤芦屋市長と、ドッグラン設置会の代表が面談しました!

 私が所属している市民運動、芦屋のドッグラン設置会が1月11日午後1時半から芦屋市役所で市長と面談しました。参加者はドッグラン設置会の代表六人と紹介・立会人の芦屋市会議員長谷基弘氏。芦屋市にドッグランを設置する反対派もい

「えっちゃんの夏」を出版します!

 ここ数か月以内に、「えっちゃんの夏」を出版します。  この作品を完成させるのにもう九年近くかかってしまいました。私の妻「えっちゃん」が亡くなった直後に、つまり彼女は九年前の七月十九日に死去し、その後すぐ、八月十五日に私