芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

「座」67号を読む。

 この詩誌を読んでいて、まず気づくのは、登場する七人の詩人みんなに共通する言葉への姿勢、何の気負いもなく自然体でペンを進めていることだ。といって、自然体と言っても、さまざまな工夫をこらしているのは言うまでもないが。おそら

「オリオン」36号を読む。

 昔、ちょっとお付き合いした、といっても大昔だった。私がまだ三十代だった頃に同じ詩のグループとして付き合った人たちが運営している詩誌なので、拝見した。これが縁というものか、楽しいひとときを過ごした。    「オ

東川絹子詩集「ぼくの楽園」を読む

 まず、この本の表紙をじっと見ていただきたい。宇宙全体を一枚の白紙に表現せんとした抽象画だ、誰の脳裏にもそんな認識が浮かぶだろう。この表紙絵の作者は東川楓となっている。私は直接著者から私信をいただいているが、そして、バラ

山中従子の「やわらかい帽子」

 一口に「夢」といっても、いろいろ、ある。この本に束ねられた言葉の世界は、確かに、第一部の散文でガッチリ固められた詩群も、第二部の行替えで柔らかく構成された詩群も、言うまでもなく「夢」を言語によって「ポエジー」へと転換す

「芦屋芸術十一号」を出版しました!

 「芦屋芸術十号」を出してまだ三ヶ月くらいしかたっていませんが、「芦屋芸術十一号」を出版しました。やはり私だけの作品で構成しました。十号よりも字数がはるかに多く、しばらくこの状態で行けるところまで行ってみよう、ちょっとそ

「高村光太郎詩集」再読

 今にして思えば、敗戦後の荒廃した世に生を受けた私たち所謂「団塊の世代」は、小学校から一クラス五十人前後の教室で学友と競い合い、少しでも他人を押しのけて自分がいい位置に納まらんとして懸命に努力する、しかし、その戦に脱落し

芦屋浜、火の祭典!

 今夜七時前、コロナのために今年は中止になっていた恒例の芦屋浜の花火大会が、公式の予告はしないで、ほんの五分前後に過ぎないけれど、実行された。芦屋浜は去年の八月から高潮対策の護岸工事のため高い塀で全面閉鎖されているが、そ

カアカアのお口は食糧貯蔵庫!

 自分の無知を自慢するわけではないが、ずいぶん歳を重ねたけれど、私はこんなことさえ知らなかった。  そうだ、カアカアのお口は食糧貯蔵庫だった!  観察していると、カアカアのお口が食糧貯蔵庫に早変わりするには、大きく分けて

満月を見た!

 確か、きょう、十月二日午前六時頃が満月だったと思い、六時では明るくて月がキレイに見えないばかりかもう六甲山の裏に隠れているはずだから、午前五時前に我が家の門前へ出た。西の低い空に、満月を見た! 円形に爛熟した黄味。そし

中秋の名月を見るために

 中秋の名月を見るために、夜七時過ぎ、私は近くの親水公園をさまよった。東の低い空に火星、その右上方にお目当ての月、南東には土星と木星、頭上には夏の大三角。ただ、西の空はかすんでいて、夏の大三角の頂点、おりひめ星のベガだけ

中秋の名月

 夜来の雨があがる。午前四時頃、門前から綺麗に掃かれた上天を仰ぐ。東の空に金星、西空に火星が浮かび、その中空を冬のダイヤモンドが輝いている。  五時頃、ふたたび門前へ出る。先程より少し空はもやって、西空は見えないが、また