芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

世界の詩集第三巻「ハイネ詩集」

 この詩集はボクのワイフが十九歳の時に読んだ一冊である。彼女がこの世を去ってから、ボクは彼女の遺品となった書物を折に触れ、読んでいる。特に、まだボクラが一緒に生活をしていなかった十代から二十代の初め頃に彼女が読んでいた本

世界の詩集第二巻「ボードレール詩集」

 ワイフの遺品、世界の詩集の第二巻は「ボードレール詩集」である。ボードレール、つまり言葉の毒薬、そう考えて大過あるまい。  若い頃、ボードレールは比較的よく読んだ作家だった。人文書院から出ている「ボードレール全集」全四巻

「般若経」を読む。

 母方の祖母はよく般若心経を誦していた。まだ若い頃に祖父、つまり彼女の夫が行方不明になったことが影響していたのだろうか。祖父は戦前、政治犯等を調査する外事課に勤務していて、満州で変装している姿を見かけたという噂もあったが