芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

来年、やります!

 今、芦屋浜に出て、火星を見てきました。火星の下にあるうお座のフォーマルハウトも。  眼を南から西へ転じると、アルタイル、いわゆる「ひこ星」が、その北方にはベガ、いわゆる「おりひめ星」が。そして、はくちょう座のデネブが「

シャーデヴァルトの「星のギリシア神話」

 おそらく今から四千年前か、あるいは三千年前か、無学なボクには判然しないが、人々は農耕や狩猟によって生活していただろう。いつのことかもう定かではないが、人は共同して生活し、たがいに助けあいながら労働によってそれぞれの人生

我が家からの宇宙旅行

 きょうも、夜明け前の三時半ごろに起きて、身支度を済ませ、我が家の前の道から空をあおぐ。  東の空には、アークトゥルスとスピカとデネボラの春の大三角が光り、振り返って西の空にはシリウス・プロキオン・ベテルギウスの冬の大三

やっと、「ギリシア喜劇全集」第一巻を読みました!

 近頃、ボクは読もうと思って本棚の片隅に立てたまま、長い間居眠りしていた本を、読み始めた。長い間、そう、彼の睡眠時間はもう半世紀近くなっている。  ギリシア喜劇全集第一巻 訳者代表高津春繁 人文書院 昭和47年8月10日

我が家の前の道から

 十二月二十一日。夜来の雨はあがった。夜明け前の四時ごろ、門灯を消し、我が家の前の道から東の空を見あげると、うしかい座のアークトゥルス、おとめ座のスピカ、そしてその二星を底辺にした頂点、しし座のデネボラ、所謂「春の大三角

ふたご座流星群の方へ

 十二月十四日、夜中の十二時過ぎに、芦屋浜まで出た。我が家から徒歩で十分足らず。浜の階段状の堤防に寝転んで空を見上げた。親子連れの三人の先客がいた。  空は晴れて、オリオンもシリウスも美しい。しばらくじっとしていると、ふ

その女

 午前四時。いつのまにか夏が来ていた。窓外で一匹の蛾のようなものがあばれていた。 「息が止まっています」 「アア、ソウデスカ」  死体を前にした、看護師と彼の最後の会話だった  その女が残したものに、三本の百日紅がある。

慈悲

老いて 深夜に目覚め 門を出て 闇夜に迷った 月も星もない しかし このてのひらが光りはじめた 光はあふれ からだを流れ落ち 足を照らした