「芦屋芸術」の新しいホームページが出来ました。アドレスをお伝えします。 http://ashiya-art.main.jp/ きのうはボクの誕生日で、長男がプレゼントで作ってくれました。ぜひ、アクセスしてください
紫と吸盤
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花が咲いていた 吸盤の 確かに花びらも 茎も キキョウに似ていたが 根が 吸盤だった 惑星 いちめん この花に覆われていた キキョウのような花に 蛸のような吸盤の足
亀とセミの声
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昨夜、友人から声がかかり、なじみのスナック「リーザ」で飲んで、帰宅したのは午前零時を過ぎていた。 朝遅く六時に起床。家事や朝食、庭掃除。カラスご夫婦とスズメたちに朝ごはん。すべてを済ませて、八時半ごろから毎週土曜日に
走る孤独
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奥深く生きている間に 出れなくなってしまった もう日の光を仰ぐこともあるまい 奥へ 裏側の深淵へ おのずから潜中走法を学んだ 潜ったまま走り続けた かつて地球上で見た存在物は皆無
寄稿文芸誌「KAIGA」126号を読む。
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原口健次さんから詩誌が送られてきた。 寄稿文芸誌「KAIGA」126号 編集発行人 原口健次/発行所 グループ絵画 2024年7月31日発行 四人の詩人が併せて十篇の作品を発表している。
酒を飲む胴体
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愛しあわなければ ひとりの夜 カーテンは開いているが 耳は閉じていく あなたの唇がこんなにも懐かしいのに 人差指も 親指も見えない 首が落ちてゆく夢 今夜も 胴体だけで酒を飲んで
詩誌「リヴィエール」195号を読む。
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永井ますみさんから詩誌が送られてきた。 詩誌「リヴィエール」195号 発行所/正岡洋夫 2024年7月15日発行 十二人の詩人の十三篇、表紙裏の作品を加えると十四篇の詩で構成されている。
詩誌「布」40号を読む。
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先田督裕さんが主宰するこの詩誌を読んだ。 詩誌「布」40号 2023年9月20日発行 六人の同人が七篇の詩を発表している。また、<ひとこと>の欄では、決して<ひとこと>ではなく、同人全員
詩誌「タルタ63号」を読む。
先田督祐さんからこんな詩誌が送られてきた。 詩誌「タルタ63号」 編集 寺田美由記/田中裕子 2024年7月1日発行 九人の詩人が十六篇の詩を発表している。また、エッセイでは、堀内敦子氏
亀と余談
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きのうはワイフの十年目の命日で、通夜や葬式から始まって特段法事などやっていない私は、仕事を休み、一日中ワインを飲んでいた。ワイフの骨壺ばかりではなかった。愛犬ジャック、愛猫アニーの骨壺もワイフの両サイドにまだ立っている
あの人が去ってゆく夏
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午後一時前、家を後にした。真夏日の芦屋浜にはほとんど人気はなかった。 東岸の堤防の階段に座って若い男が上半身裸で日光浴をしている。顔も体も日焼けして焦げ茶色になっている。西端の浜辺の水際を黒いTシャツを着た若者が歩い
炎天下に書く
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午後零時。もっとも影が短くなる時間に、炎天下を歩く。 十年前のこの日、私は終日、緩和ケア病棟にいた。あなたは既に死の中に住んでいた。 なすすべはなかった。いまもなすすべもなく、ただ炎天下を歩いているだけだった。 &
夏を歩く
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きょうも炎天下の真昼、芦屋浜から総合公園を歩いた。 芦屋浜では数名の人と出会った。堤防沿いに私は西に向かっているのだが、前方から東に向かう女性がいた。おそらく汗だくだろう。伏し目がちな額に汗がにじんでいる。おかっぱみ
三日後の未明まで
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七月十六日。 真夏日の炎天下。お昼前に家を出る。いつものように芦屋浜から総合公園をさまよい歩く。 半ば狂っているのか。自分で言うのもなんだが、もうほとんど治癒不能状態なのかもしれなかった。少なくとも、既に常識は崩壊
転生
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〈Ⅰ〉 庭にカラスが遊びに来るようになった。 おとなしく垣根にとまったまま、彼を見つめている。「カアカア」、彼はそう呼びかけてみた。恥ずかしそうにうつむいているかと思うと、また、チョコンと顔をあげてうれしそうに彼
泥酔と恋心
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カウンターに座って彼はしばらく眠っていたのかもしれない。…… ……女が横たわっている、彼のベッドの上で。 酔っぱらっているのか、家を間違って、こんなところで。 そういえば 十年前に亡くなった妻は
芦屋ビーチクラブ その40
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久しぶりにビーチクラブに参加した。六月二日以来。雨が多くて中止の日が続き、また、私自身「芦屋芸術」のお付き合いが増え、不参加する日もあった。 浜には漂着物がいっぱい。それに雨で湿っているため、とても重く、運搬するのが
亀と亀の子タワシ
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昨夜、時折訪れるスナックから帰宅すると、午前零時前。もう、ほとんどきょう。朝六時に起床。 やる予定にしている事がたくさん。まず、家事と朝食。庭掃除とスズメたち、カラス、けさは女ガラスがひとり、彼等に朝ごはん。そのあと
再現
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梅雨の終わりが近づいていたが 未明 激しい雨が軒を叩いていた ベッドに寝転んでいる両耳を 雨音が ボトボトバンバン 演奏する でも頭の中はお天気ね すっかり晴れ渡って 雲ひとつなく 満天 星が輝いているわ あなた いまは
松川紀代の詩集「頬、杖」を読む。
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静かに、平明な語り口の短詩三十四篇で構成された詩集だった。 「頬、杖」 松川紀代著 思潮社 2024年6月25日発行 子供のころのさまざまな回想、老いた現在の雑感、親族の思い出、また、夢
金堀則夫の詩集「ひの石まつり」を読む。
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詩誌「交野が原」を主宰している金堀則夫さんから詩集を戴いた。 「ひの石まつり」 金堀則夫著 思潮社 2020年4月1日発行 独特の霊的世界を言語で築き上げた一冊だった。著者の住まう星田と
正座するのが遅かった
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昨夜も 飲み歩いてしまった 歯止めが利かなくなっていた このままでは 近いうちに 破綻すると思った 久しぶりに 畳の上に正座した 両足が痺れて来た それでも 座り続けた おのれに鞭を打ち続けた おい おまえは もう破綻し
黒くなる
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てのひらと てのひらをあわせたら 人はそれを合掌と呼ぶのだろう しかし けっして 結んではならない 悪に染まる かならず 黒くなる
ひとつの別れ
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この頭から 言葉が消えてゆく なすすべもなく 消えてゆく それもさよならのひとつだ だけど 空間が沈んでいるところに 消えた言葉が浮かんでいる そんな別れもあった
無数
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あの頃、手が何本あったのか、思い出せなかった。腕組みをして、昼下がりから夕暮れまで、窓辺に座って、空を見上げていた。やがて夜が来た。 空には無数の手があるのがわかった。星が無数にあるように。
亀、門前で遊ぶ。
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昨夜、友人と居酒屋からいつものスナックへと流れ、帰宅したのは午前零時を過ぎていた。 朝七時ごろまで寝過ごしてしまい、家事や朝食を済ませ、カラス夫婦や何十羽も集って来るスズメたちにご飯を差し上げて、庭掃除。また、梅雨と
水音かな 足音かな
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水の音かな ぽとりん なにかが はずれようとしていた ぬっすん いや 足音だ ぽっちん やはり はずれたのか すっかり はずれてしまったのか でも 水音かもしれないし ぽとみん つんつん むっちん つっつん オイ そんな
死は死んだ
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頭がかゆくなった
死
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からだが なくなる
七月のアーモンド
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終日雨の予報だったが、幸い、曇り空から雨は落ちてこなかった。 お昼ごろ、散歩に出た。きょうはちょっと寄ってみたいところがあった。総合公園の西南端あたりにあるアーモンドのささやかな小径。左右五本ずつ並んでいるだけの。
詩誌「現代詩神戸」285号を読む。
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永井ますみさんから送られてきた詩誌を読んだ。 「現代詩神戸」285号 編集/今猿人・神仙寺妙・永井ますみ 発行所/永井ますみ 2024年6月10日発行 この詩誌は十七人の詩人の詩作品二十
詩誌「ガーネット VOL.102」を読む。
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いま、こんな詩誌を読み終わった。 「ガーネット VOL.102」 編集・発行/高階杞一 発行所/空とぶキリン社 2024年3月1日発行 十人の同人の内、ひとりは休会中で、九人で運営されて
十年目のバラに
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小雨の降る中、お昼ごろ芦屋浜から総合公園を散策。まっすぐ北に向かう中央の小道を選んで公園事務所の前に出る。そこにはバラが咲いている。誰もいない。わたしは毎年何度も飽きもせずバラ園をめぐり歩いている。十年前のきょう、七月
十年目の波音
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雨があがったので、夕方芦屋浜へ出るといつになく波音が高い。久しぶりに海が荒れている。水際へ出てしばらく見つめていた。 まだ あなたになにがあったのか わからない わたしの中に 生きているのに 十年
詩誌「交野が原」第96号を読む。
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金堀則夫さんから送っていただいたもう一冊の詩誌を読み終えた。 詩誌「交野が原」第96号 編集・発行人 金堀則夫 2024年4月1日発行 すべてを読み切った後、私は、私同様いわゆる「現代詩
十年後の声
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近所のスーパーで食材を買い、夕方五時過ぎ、散歩に出た。 昼間の散歩は相当の暑さで過酷だった。土曜日だというのにほとんど人気はなかった。けれど、今は風も出て涼しくなっていた。散歩姿もチラホラ。 芦屋浜から総合公園に入
亀と白いキキョウ(続続続続)
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昨夜、阪神芦屋駅近くのスナックで一人で飲んで、家にたどり着いたのは十一時を過ぎていた。 けさは少し寝坊してしまった。六時に起床。家事や朝食を終えて八時前に亀の池の掃除。一週間ぶり。というより、週に一度は掃除をしてやら
詩誌「交野が原」第95号を読む。
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金堀則夫さんからこんな詩誌が送られてきた。 詩誌「交野が原」第95号 編集・発行人 金堀則夫 2023年9月1日発行 この詩誌は二十九人の作家の詩作品と三人の作家の評論エッセイ、そして十
たけにしよしかず個人詩誌「季刊ぽとり」第74号を読む。
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武西良和さんから詩誌が送られてきた。 たけにしよしかず個人詩誌「季刊ぽとり」第74号 2024年6月1日発行 この詩誌はすべて著者の作品で構成されている。詩三篇、<万葉集を読む52>、<
十年間 だった
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雨が降りそうで降らない。曇天ではあるが、時折雲の切れ間から陽が差し込み、蒸し暑い。Tシャツの背中ばかりか胸のあたりまで汗が。 やはり今日も真昼の旅に出かけた。旅といってもいつもの親水中央公園経由、芦屋浜めぐり、六甲山
クタとグダ
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クタと クタを 重ねあわせたら クタクタ あなたはいつまでも グダグダ だから わたしはいつもクタクタ
もう笑いものになってもいい
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猛暑日 阪神芦屋駅前を はだしで歩いていた コンクリートの熱で 足の裏をやけどした 帽子をうちわ代わりにして 午後二時十五分
知能を持つ穴
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緻密な穴があるのがわかった どうやら その穴は いったん潜りこんだら 二度と脱出できない構造になっているらしい そんな噂が拡散したため 誰もがこの穴の存在を知りながら あえてもぐりこみ その構造を明らかにせんとする研究者
亀、無我夢中で。
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昨夜七時ごろ、スナックへ一人で寄り水割りを飲んでいたら、超有名な元プロボクサーが私のカウンター席の隣に座った。テレビなどで作られたキャラクターとは裏腹に、気さくで素直な男。気軽なおしゃべり。顔立ちも優しくこれで世界チャ
言葉ひろい
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散歩道には ときたま 言葉が落ちている 毎日 昼と夕に 親水公園を通り抜け 芦屋の浜から 総合公園を うろうろしてるので 言葉を拾っては こころの籠に収めて 海を見つめ 空を仰いでいる 違う お金じゃない
波に乗る言葉
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午後零時過ぎ きょうも散歩に出た 朝から曇ってどんよりしていて もうここまで梅雨が来たのだろうか 親水公園を抜け 芦屋浜の東屋から 砂浜をたどり 浜辺に立った 水際でカラスの群れが遊んでいる 何羽も波を浴びて水浴を楽しん
十年 一昔だった
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真昼の 暑い盛りに きょうも 芦屋浜から 総合公園に入った 中程に ビオトープへ向かう 道がある 人工の細流があって 小さな石橋がかかっている 昔は ジャックと 彼女がそばにいて 確かに小さいけれど とても晴れやかな場所
ヘンリ・ミラーの「北回帰線」を読む。
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最近私はM・ミオ―&J・ランジュの「娘たちの学校」、ジョン・クレランドの「ファニー・ヒル」を読んだので、そう言った流れの中でこの本を読んだ。 「北回帰線」 ヘンリ・ミラー著 大久保康雄訳 新潮文庫 平成
六月の赤トンボ
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真昼時 曇天の下 いつものように 芦屋浜から 総合公園を散歩した ムクドリが飛び交い カラスやスズメがはしゃぎまわって 木々も 芝生も 雑草も いちめん 六月のみどりに塗られている 西公園の池には コイが泳ぎ 今年初めて
わざわざ
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ボクを慰めるために ボクの心の中まで 言葉がやってきた わざわざ ボクを慰めるために ボクはそれをノートに写した
不帰
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チャリリン という音がした 耳をかしげた いったいなんだろう そのまま 首をかしげていた 午後三時から 夕暮れまで 音は二度と帰らなかった