芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

「芦屋芸術」の新しいホームページが出来ました!

 「芦屋芸術」の新しいホームページが出来ました。アドレスをお伝えします。  http://ashiya-art.main.jp/   きのうはボクの誕生日で、長男がプレゼントで作ってくれました。ぜひ、アクセスしてください

心はジャングル

悲しいままでいい そうじゃないか 愛した人を喪って 余計なこと 考えないで 悲しいままでいいじゃないか   ちょっと 待て それがそうじゃなかったんだ 悲しい時もあったし うれしい時もあったし 酒がうまいし カ

昔の記憶

 葉書が出てきた。海と円錐形に突き出た島が描いてあった。黒い太い線。墨汁で描いたのだろうか。なぜかこの島には、ずいぶん昔、訪れた記憶があった。  脳裏に島内の風景の映像が走った。白い小さい浜辺。オリーブの林。青空に浮かぶ

渦巻

 どうしてこんな状況に立ち至ったのか。既に手錠をはめられていた。そして、背後から目隠しをされた。何も見えなかった。複数の人間がいた記憶は残っているが、何人いたのだろうか。黒い覆面で顔を覆っていたので、男だろうか女だろうか

亀とこの家で二十二年

 昨夜は行きつけのスナックで九時過ぎまで飲み、一昨夜訪れたスナックへと流れた。ある事情があった。言うまでもなく、夜遊びの他愛ない事情ではあるが。しかし私のような低劣な男には、他愛ない事情の中で自分なりに生きているのだが。

裏側の穴

穴が あいているから すべてを 忘却する   靴下ではない ごらん 足の裏から 記憶が 流れ 去っていく 刻々と

長芋とろろでよかったんだ

 どこをうろついていたのかわからない。あれは舗道だったのか、それとも廊下だったのか、既に記憶は鮮明ではなく、頭の中に黄昏がやって来たのだろう、過去は薄い灰色の膜に覆われてしまった。結局、たどり着いたのは、長径五十センチ短

シュトローブル短編集「刺絡・死の舞踏他」を読む。。

 文学に対してさまざまな考え方があるのだろう、不勉強な私には皆目わからないが。文献学や語学などの世界は別として、私個人に関して言えば、文学は自分の好悪に素直に従って選らんでいけばそれでいい、そんな読書遍歴をしてきた。  

芦屋ビーチクラブ その65

 昨夜はいつものスナックで遊んで、帰宅したのは今日の午前零時半ごろ。けれど、朝八時から始まる芦屋ビーチクラブの活動にどうしても本日は参加しようと思っていた。もう二か月間、私は芦屋浜の清掃を怠っていた。  六時に起床。家事

亀と花花

 今週の木曜日は誘われて夜更かししてしまった。帰宅したのは金曜日の午前二時半ごろだった。ある事情もあって、昨夜は我が家でおとなしくして、早く就寝した。  本日、土曜日、亀の池の清掃日。朝四時に起きて、家事を済ませ、庭の掃

円筒形だった

左の方から棒状の光が走って来て 左頬を打った すぐに左方を確認したが 何も見当たらなかった あれはいったい何だったのか 懐中電灯ではなかった なぜって 左には誰も立っていなかったから 枕元に置いてあるスマホを見たら 午前

いったい どうすればいい?

 その館に何が住んでいるのかわからなかった。いろいろな説があった。三人のゾンビを見た、そう証言するその地区の郵便配達夫までいる、そんな奇妙な噂まで彼は耳にした。それでは、いったいどんなゾンビだろう。  ニンゲンの死体が蘇

カルペンティエールの「バロック協奏曲」を読む。

 こんな本を読んだ。    「バロック協奏曲」 アレッホ・カルペンティエール著 鼓直訳 サンリオSF文庫 1979年5月15日発行    この本には中編「バロック協奏曲」と短篇「選ばれたひとびと」の二

コクトーの「怖るべき子供たち」を読む。

 先日この著者の「大胯びらき」という作品を読んだ。今回はこんな作品を読んでみた。    「怖るべき子供たち」 ジャン・コクトー著 東郷青児訳 角川文庫 平成5年6月20日改版45版    この作品の成

別れの合図

また、ここにもどってきた。もう二度と、帰らないと、誓ったはずなのに。   瞳が浮かんでいた。いったい誰の? おそらくは、あの……確かに浮かんではいるが、いかなる動力で空中移動しているのか、皆目わからなかった。そ

亀日和

 毎日、空気は、暖かくなったり、冷たくなったりを繰り返しながら、それでも気温は徐々に上昇しているのだった。  けさは、暖かくなっていた。  土曜日。恒例の亀の池の掃除日。昨夜は少し飲んで帰宅したのは本日午前零時半。未明、

そんな日も ありました

どうやら 晴れの予報だし 未明に起きて 芦屋芸術のブログに作品を投稿するよりも 夜は熟睡し 朝五時に起床して 洗濯することを優先しよう 一週間ぶりの洗濯 そうして 午前中の仕事が終わって帰宅したら たまには 一日 ぶらぶ

ある自転車

 ほの暗い路地だ。狭いといっても、幅一メートルもない、ほとんど線状路地とでも表現すればいいのか。  おおよそ十メートルくらい先は行き止まりになっていて、高さ三メートルほどのコンクリートの壁になっている。壁の左側には幅約三

もう夜道は歩かない

それがそうじゃなかったんだ だったら これから どうなってしまうんだろう はっきり こうだと 言ってください どうか はっきり こうなんだと   ええ 先生 そうなんです わかってください くるくる回ることもあ

あいてる

風が消えた 夜が止まった 街路樹が沈黙した だが この闇の静寂の中から 息づかいがした 左肩の上 耳たぶのそばに 声が落ちた    来週の水曜日  あいてる?

コクトーの「大胯びらき」を読む。

 こんな本を読んだ。    「大胯びらき」 コクトー著 澁澤龍彦訳 福武文庫 1994年11月4日第8刷    オシャレな青春小説だった。コクトーの趣味があちらこちらからにじみ出てくる気持ちがした。言

夜になると 売るのだが

皆様 この水は 純粋を持続するために 濁っていた また 濁らなければならなかった つまり 濁らなければ 純粋になれなかった いや むしろ ホントは こうです 純水といわれるものは 濁水の底から 噴き出してくるものだ わた

寄稿文芸誌「KAIGA」No128を読む。

 原口健次さんから詩誌が送られてきた。    寄稿文芸誌「KAIGA」No.128 編集発行人/原口健次 発行所/グループ絵画 2025年3月31日発行    この詩誌には、いつもの通り、四人の詩人が

亀、四月だが寒い朝。

 昨夜も夜遊びで帰宅したのは本日、午前二時半ごろだった。去年からこの傾向はかなり見られたが、今年になって毎週金曜日土曜日はほとんど、あるいは、かならず午前様だった。これだけ長時間この世で暮らしてきた我が身はやがて崩れ去っ

後藤光治個人詩誌「アビラ」21号を読む。

 後藤光治さんから詩誌が送られてきた。    詩誌「アビラ」21号 編集発行/後藤光治 2025年3月20日発行    この詩誌は、まず巻頭に「ロラン語録」が登場する。今号は、「トルストイの生涯」から

もっと 愛して

 信じられないことが起こった。奇妙な事件が突然彼に降りかかってきたのだ。何としてもこの事件の概略だけでもご報告しておきたい。    タバコを止めてもう二十年くらいたっている。今では居酒屋で友人が吸っていても、彼

詩誌「タルタ65号」を読む。

 先田督裕さんからいただいた詩誌を読んだ。    詩誌「タルタ65号」 編集/寺田美由記・田中裕子 発行/タルタの会 2025年3月1日発行    この詩誌では九人の詩人が十六篇の詩を発表している。ま

だったら もっと ステキ ね

最後は ゼロ なって この世を去るって ステキじゃない そうね あなた そうよ そのとおりね でも いつもよ 最後だけじゃない ねえ わかる いつも いつもよ この時 ここで よく見て ここよ この世の果て あの世でも

詩誌「タルタ64号」を読む。

 先田督裕さんから送っていただいた詩誌を読み終えた。    詩誌「タルタ64号」 編集/寺田美由記・田中裕子 発行/タルタの会 2024年11月1日発行    この詩誌は、九人の詩人が十六篇の作品を発

でも

昨夜も飲み歩き きょうの未明 午前三時ごろ 帰宅した こんなことが 連日続いていた 朝九時前 起床して スマホを見た 私は頭に浮かんだ言葉を忘れないうちに スマホのメモ帳に打ち残しておく癖がある 昨夜 あるいは きょうの

詩誌「交野が原」第98号を読む。

 金堀則夫さんから詩誌を送っていただいた。    詩誌「交野が原」第98号 編集・発行人/金堀則夫 発行所/交野が原発行所 2025年4月1日発行    この詩誌は、三十二人の詩人の詩作品三十三篇、評

亀、スズメたち、そしてカラス夫婦

 昨夜は夜遅くまで飲み、帰宅したのは今日の未明、午前二時二十分ごろ。先程まで一緒に飲んでいた友達にラインを。「おやすみ」。いつしか、就寝。  午前八時四十分ごろ起床。朝食、洗濯、花の水替え。庭掃除は手抜きしようと思ってい

未明の天井

あっというまに 消えることもある そうだよ わかるだろ わたしは あなたのことを 言っているのだよ   そうじゃないか あなたが 膵臓がんで 一瞬にして消えるなんて もし 消えていなければ この十一年間 まった

詩誌「石の森」第202号を読む。

 金堀則夫さんからこんな詩誌が送られてきた。    詩誌「石の森」第202号 編集/西岡彩乃 発行/美濃千鶴 2025年1月10日    この詩誌は、五人の詩人の五篇の詩、書評一篇、そして<石の声>の

詩誌「リヴィエール」199を読む。

 永井ますみさんから詩誌を送っていただいた。    「リヴィエール」199 発行所/正岡洋夫 2025年3月15日発行    本誌は十五人の詩人が十七篇の詩を発表している。また、このうち七人の詩人がそ

内向する滝に打たれて

今夜も 頭頂から 腹底に向かって 滝が 落ちてくる 喉元まで しぶきをあげながら   全身 藍色の水滴 滝つぼに 溺れて   午前二時 降りそそぐ 音が 意味不明の 無数の細粒が

詩誌「現代詩神戸」288号を読む。

 永井ますみさんから詩誌が送られてきた。    「現代詩神戸」288号 編集/今猿人・神仙寺妙・永井ますみ 2025年3月10日発行    この詩誌には、二十人の詩人の詩作品二十五篇、一篇のエッセイが

詩誌「折々の」No.64を読む。

 津田文子さんからこんな詩誌が送られてきた。    「折々の」 発行/「折々の」の会 編集者/篠原麻由美・瀬尾薫・伊達悦子・万亀佳子 2025年3月1日発行    この詩誌は、十人の詩人の作品十一篇、

それは

それじゃあ これってなんだ あなたは 右の手のひらを開いて 見せてくれた 確かに それは動いていた 手首から 右肩に向かって だけど 突然 背後に回り うなじを破って 首を突き抜け 喉もとから ぐじゃりん プシュー 緑汁

今夜は オンザロックで

だから言ったじゃない あんなこと もう忘れちまいな いやなことは いやなままで そっと あたたかく 見つめて でも いっしょに遊んだ時は 楽しかったね そんな別れの挨拶を 投げかけて   今夜は オンザロックで

季刊詩誌「ぽとり」77号を読む。

 武西良和さんから個人詩誌が送られてきた。    季刊詩誌「ぽとり」77号(春号) 編集発行人/武西良和 発行所/きのかわ文芸社 2025年3月1日発行    詩作品二篇と、論文二篇。裏と表を原音にし

きょう、亀は冬眠から目覚めました。三十六歳です!

 三月だというのに、この間、寒い日が続いていた。でも、きょうから、やっと、暖かくなりそう。  実行するのに、この日ごろの天候でためらいがちになっていた。けれど、きょう、午前十時半、暖かくなった、ヨシ、決行しよう!  バケ

詩誌「座」第80号を読む。

 津田文子さんから送っていただいた詩誌を読んだ。    「座」第80号 発行/座の会 2025年2月1日発行    七人の詩人が十一篇の詩を発表している。津田さんの手紙によれば、もう三十年近く発行して

<セリ・ポエティク>Ⅴ「トリスタン・ツァラ」を読む。

 私は二十歳の時に読んだ本を、今、読み終えた。なんでまた、こんな本を、もう一度。    <セリ・ポエティク>Ⅴ「トリスタン・ツァラ」 編者/ルネ・ラコート 訳者/浜田明 思潮社 1969年7月1日発行 &nbs

ふわふわした感じで 毎日

いいね いい 気持ち 毎日 こうであって 欲しい ふわふわ して欲しい   でもね ふわふわ してるって そわそわ してるんじゃあないよ ちょっとした違いだけど   ずいぶん違うんだよ ふ と そ だ

違うかしら

瞳は もっと 激しいもので いいと思う なぜって 恋は 見つめあうことから 始まるって そんな話 昔 聞いたわ これって どう 嘘なの どうしてなの 教えて あなた どうして そんなふうに うつむいて ふしめがちに わか