芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

走る孤独

奥深く生きている間に

出れなくなってしまった

 

もう日の光を仰ぐこともあるまい

奥へ 裏側の深淵へ

 

おのずから潜中走法を学んだ

潜ったまま走り続けた

 

かつて地球上で見た存在物は皆無だった

得体のしれないものが ひらふらしていた

 

この世に存在しないものは

言葉では表せなかった ふらそらしていた

 

ひらふら 夜明けまで まだ三年間

ふらそら 孤独が走っている