芦屋芸術|芸術誌・現代詩・小説

芦屋ビーチクラブ その125

 毎週日曜日の朝、芦屋浜の掃除をするとき、私は基本的には東西の堤防の階段下を中心にゴミを拾い、雑草を抜いている。芦屋ビーチクラブのメンバーの大方は浜の渚付近を掃除しているので、私は堤防付近をやっている。    

亀とテキーラの夜

 きょうは、土曜日。私に与えられた課題は、言うまでもなく、毎週土曜日の午前中やっている亀の池の掃除をきょうも実行することだった。    昨夜も歌姫と飲んで、歌った。「も」と言ったのは、近頃、しばしば彼女と会って

終焉

直接接触を嫌厭する時代だった   ジュースだけではなかった ビールもストローで飲んでいた   キスは禁止された キッチンラップ越しに交わされた   だから いま思えば カバンの中にはラップと

わからなくっていいのよ

午後七時に阪神芦屋駅前で彼女と待ち合わせをした。   バスが三十分前に着いたので、近くの芦屋市役所の広場のベンチに座って、急に思いついた作品をスマホのメモ帳に書いて遊んでいた。   夢中になってしまっ

詩誌「リヴィエール」208を読む。

 永井ますみさんから詩誌が送られてきた。    「リヴィエール」208 発行所/正岡洋夫 2026年9月15日発行    この詩誌は十五人の詩人が十五篇の詩を、また、七人の詩人が七篇のエッセイを発表し

詩誌「現代詩神戸」294号を読む。

 永井ますみさんから詩誌が送られてきた。    「現代詩神戸」294号 編集/今猿人・神仙寺妙・永井ますみ 2026年9月10日発行    本号は、エッセイはなく、いつもの「詩篇」の他に、「課題詩」の

芦屋ビーチクラブ その124

 ここのところは、土曜日になっても、芦屋の夜の街を歩いていない。家でじっとしている。    ふいに酒量を少し減らさなければ、そう思うようになった。  私は毎日酒を飲んでいるが、家で飲むなら、たいした量は飲まない

亀と蚊と確率

 近頃、いっしょに食事をしたり、スナックでカラオケを楽しんだりする歌姫と、昨夜も遊んだ。初めての日本料理のお店に入ってみたが、ステキだった。盛り付けも美しく、器も吟味されていて、眺めているだけでも味わい深いものがあった。

なにかがぼやけてきた

何かうるさいことが起こったらしい。何か、を突き止めるまで、今夜は眠れそうにない。 ヨシ。徹夜で突き止めてやる。   焼酎を飲みながら、静かに考えてみた。いったい何だろう。それにしても、さっき、赤ワインを飲んだば

出てくるんだもの しかたないわ

毎晩 言葉が出てくるの どうしてだろう   わたしの体から 出てくるくらいは わかっているけど   何も考えていない 何も思ってやしないのに   今夜も 出てしまう 言葉 ぞろぞろ &nbs

そうよ

夜が早くなっていく いきなり 身支度を整える暇もなく 振り向けば みんな 闇 でも 忘れない あの真昼だけは わかる?   激しく 深く

頭の中だけ

透明分離体 こんな言葉が出てきた 何故だろう 理由はわからなかったけれど 口をついて出てきたのは 確かだった   だったら 透明分離体って 結局 わたしのことだろうか   私 わたしがそうですか 透明

後藤光治個人詩誌「アビラ」27号を読む。

 後藤光治さんから送られてきた個人詩誌を読んだ。    後藤光治個人詩誌「アビラ」27号 編集発行/後藤光治 2026年9月1日発行    この詩誌の構成は、まず巻頭に「ロラン語録」。次に著者の「詩作

芦屋ビーチクラブ その123

 きょうは、雨の予報が曇りに変わり、芦屋浜に向かう頃、晴れ間も見えた。少し風もあり、猛暑日の夏が過ぎ去っていく気配さえした。    芦屋浜には漂着物のゴミがいっぱい。次の写真は、浜から六甲山を撮った一枚。手前の

亀とパソコン

 きのう、金曜日、台風の影響で豪雨の予報だったが、それほど雨は激しくなかった。小雨だった。  あしたは曇り・雨だったが、最新の天気予報では曇りになっている。来週もずっと雨もよいの日が続きそうだった。ヨシ、あしたは洗濯をし

動けない時もある

沈没していた 別に私の体が池にはまっているわけでもないのに   だったら 気持ちが沈没しているのだろうか   昨夜は 激しい夜だった   池ではなかった 何かの 罠に はまったのだろうか &

あの指から

        ―Sに     まだ夏なのに 舞い散るものがある   花ではない 雨でもない   うっすら 膜をひくもの   膜をひいて 閉じてゆくもの   あ

あなたへ

           ―Sに     過去がバラバラになっていく 私から 過去が 離れていく   追いかけて つかんでみても 断片から 断片へと 分解して   バラバラ &nbsp

わかって 欲しい

          ―Sに   同じ からだが  ふたつ あれば 愛なんて 生まれない   ただ ひとつだけ わかって 欲しい

落山泰彦の「日本の民話・芦屋の伝説」を読む。

 この本は、全国の民話を興味深く、読みやすく、著者の私見も交えながら、読者を気軽に楽しませてくれる。物語が、とりわけ昔話が好きな人には、格好の読みものだろう。    「日本の民話・芦屋の伝説」 落山泰彦著 編集

芦屋ビーチクラブ その122

 きょうは午前三時半に起きて作品を一篇作った。そして、五時半から家事を始める。いつもより少し早いが、とりあえずやらなきゃならないことは、芦屋浜の掃除に出かける前に全部片付けてしまいたかった。    庭の掃除も終

亀だけじゃない。好きなもの、いっぱい。

 昨夜は、夕方五時半、阪神芦屋駅に近いイタリアレストランで友達と会食。生ビールを飲んでから、赤ワインのボトル。彼とはもう三十年近い付き合い。  月に一度くらい、夕方から彼と食事を楽しんでいる。ここ数年はずっとこのレストラ

頭の中に

壊れていく虫がいる そんな噂話を聴いた この世には 壊れていく虫がいるんだって   だったら その虫は プラスチック製なのか あるいは 寄せ木細工やガラス製品だったりして   もし そうなら この世に

三色の百日紅

        ―Sに   静めようもなかった 気持ちが 咲き 乱れていた   紅 白 紫   色づいた 花が 暗い穴の奥のほうで いっぱい うごめいていた   乱れて 落ちて

二人から

ざっと書いておきたい だって あれこれ 言い出したら きりがないから   そうだろ 君達と議論なんてする気 まったくないんだからね つまらん議論するために こんなに苦労して 書くなんて バカげてるじゃないか &

夢 さまざま

クリーム色の膜が 白くただれてゆく ただれたあとには 黒穴があいていた   あれは 舌だろうか 湿った息が吹き出し 指先を濡らしていた   わたくしの右手の人差指は そんな夢を今夜は見ていた &nbs

雑記帳 其ノ二

 先週は、日曜日から土曜日まで、夜、阪神芦屋駅周辺を中心にして飲み歩いた。毎晩、小料理屋やスナックなどで遊んでいた。    ひとりじゃなかった。土曜日を除いて、いつもペットネイム「歌姫」といっしょだった。スナッ

亀も大切、遊びも大切。

 高校の同窓生からメールが入ってきた。  三宮のミュンヘンで午後四時、落ち合うことにした。  メールをくれた友は東京に住んでいて、時折、関西まで足を運んでくる。その時たいがい、三宮に住んでいる同窓生と私と三人、三宮で遊ぶ

体を愛して

         ―Sに     心は嘘つき 心には永続性があるの 長い間生き続けるの 肉体は死んでも 生き続けるの ずっと よ そうよ 心は永遠よ なんて ありもしないことを ペラペラ おしゃべりす

ちょっとした恥辱を残して

 けさ告訴された。  罪状は敵前逃亡。  二日間の審議。その七日後、死刑。  私の中にそんなストーリーが流れていた。    間違いない。確かにあの日、火だるまだった。生き残ったのは私一人。秩序を維持するために戦

幸せだったと言いたかっただけ

夜が迫っている ずっと そんな危機感を持って 生きてきた でも あれからずいぶん時が過ぎてしまった なのに いつまでたっても 夜にはならない 迫って来る 予感だけがして   わかるかい これがもう数年後 八十歳

「詩人の輪通信」第62号を読む。

 こんな詩誌を読んだ。    「詩人の輪通信」第62号 編集長/洲史 発行/九条の会詩人の輪 2026年8月15日発行    先に私はこの冊子を「詩誌」と呼んだが、そう呼んでしまうと正確ではない。だっ

海の上で

                       ―Sに             不思議だった。私は「歌姫」、彼女の歌いっぷりが           とてもステキだからついそう呼んでしまうのだが、         

芦屋ビーチクラブ その121

 Sとメールのやりとりをしている間に、時は流れ、芦屋浜に着くのが十分余り遅れてしまった。  まあ、朝からメールと言っても、緊急ではなく、どちらかといえば、とりとめのない話だったが、私はとりとめのない話が好きだった。とりと

亀とお昼ごはん

 土曜日はいつも亀の池を掃除しているが、前日、金曜日の夜、必ずと言っていいほど夜遊びをしている。従って、帰宅は日を越えて土曜日になってしまう。亀の池の掃除を始めるのはたいがい午前十時から十一時。  しかし、きょうは違った

読み終わると悲しくなる物語

あれは何だ 一枚の黒っぽい布切れに見えるけど ハンカチのようだし パンツか ストッキング いや 誰かのズロース 待てよ シルクハットかも 一本の腕が宙に浮かんで シルクハットの中から 顔のない首を握って取り出した &nb

これはいったい何だろう

深夜放送が始まっていた   でも 家には テレビも ラジオも スマホも パソコンも ないけれど   どこかで 何かを 放送していた   流れているのは声だと思った   それとも あ

永井章子の作品四篇を読む。

 永井章子のこんな四篇の作品を読んだ。  まず第一篇は、「心象」(イリプスⅢrd13号所収。2025年10月20日発行)  この作品は、過去と未来を繋ぐこの現在が不確かで、ぼんやりとして、何か存在しているようでいて、何が

あなたのすべてが欲しいから

Ⅰ あなたとの愛もこれでおしまいね   違う そうじゃない もう陽も落ちた だったら きょうが 終わっただけじゃないか     Ⅱ いまがすべてでいい   だって いまがすべてだか

金堀則夫の新詩集「日々のびび」を読む。

 金堀則夫さんから新詩集を送っていただいた。    「日々のびび」 金堀則夫著 思潮社 2026年6月1日発行    この詩集には、軽妙で厖大な言葉遊びがあふれている。  その言葉遊びの底には現代への

芦屋ビーチクラブ その120

 昨夜は、残念ながら八月で廃業するなじみの寿司屋で遊んで、そのあと、西宮のスナックでウイスキーのグラスを傾けた。けれどママには十時にはタクシーを呼んでね、そうお願いしておいた。  そのわけは、きょう、日曜日は朝八時から芦

亀と歌姫

 たとえ猛暑日であっても、土曜日の午前中は亀の池を掃除する、私はずいぶん昔から自分とそう約束してきた。昨日も夜遊びをして帰宅したのは、きょうの午前零時半。それでも、少し遅くなってしまったが、午前十一時から十二時まで、炎天

昨夜の思い出

                 ―Sに   さざ波が立つというのは 水の上だけではない   君の気持という波が 僕の気持ちという岸辺に 打ち寄せてくる   ひたひた   時には激

二人の距離

          過日読み終えた、山手に住む女と海辺に住んでいる男の           悲恋物語の最終行だけ書いておきます。     あなたは山になって ボクは海になればいいと思う  

闇が好き

Ⅰ これからは一歩一歩夜になっていくのだと思う それでいいのだと思う だって 夜には無数の足があるのだもん まるで巨大化した黒ムカデみたい     Ⅱ 夜明けのない夜はステキな時間 もう夜明けなんてい

夜に変わるもの

だらりとした 薄い 濡れた 皮膚が おおいかぶさってきて ひとつの肌になって 夜が明けている   ねえ そのままで 出勤して きっと そのままで 帰宅してね   どこかで 破れちゃいやよ

寄稿文芸誌「KAIGA」No.132を読む。

 原口健次さんから文芸誌が送られてきた。    「KAIGA」No.132 編集発行人/原口健次 発行所/グループ絵画 2026年7月31日発行    この文芸誌は六人の執筆者が十三篇の作品を発表して

雑記帳 其ノ一

 暗い話から始めようと思う。  先週も、月曜・水曜・金曜と夜遊びをして帰宅したのは翌日午前零時半。通称「歌姫」という女と食事して酒を飲み、そのままスナックへ雪崩れ落ち、ドンチャン騒ぎ。  もちろん、言うまでもなく、平日の