芦屋芸術|芸術誌・現代詩・小説

亀の背中を追いかけて

 けさは六時過ぎに起きて家事や朝食、庭掃除、スズメたちのご飯、それに猛暑日が続いているので鉢植えと花壇にジョウロで水撒き、これだけ済ますと汗びっしょり。  いったんダイニングへ引き上げ、アイスコーヒーを飲みながらパソコン

もうすぐ 消えてしまう

未明に咲く花 茎も 根もなく   ただ ときおり 枕もとで 花びらを ゆっくり 開いてゆく   けれど 夜明け前 花びらは散り 露に湿った 花芯だけが残されて

麻風舞の「恋」を読む。

 「別冊關學文藝」第七十二号を読んでいて、おもしろい作品に出合った。    「恋」 麻風舞著 「別冊關學文藝」七十二号 編集人/浅田厚美 発行人/伊奈忠彦 2026年5月15日発行    この物語の主

瞑想劇に溺れて

 スナックのカウンター席に座って、ひとりぼっちでウイスキーの杯を重ねながら、仮に百個の歯車で構成されている円筒形生命体を脳裡に浮かべてみた。この円筒は全身を前後左右に揺すぶり、グラグラうごめかせて移動している。  もしこ

司令部

 久しぶりに地区の総会に出向いた。三年ぶりだった。いつも地区の福祉問題やイベントを今年はどうするとか、そういった話題を議論して、毎年この地区の三分の二くらいの住民は参加しているだろう。だが私はこの二年間は仕事と些事に追い

芦屋ビーチクラブ その119

 毎日、猛暑日が続いている。  私はこの世に生まれてから七十年も半ばを過ぎているが、こんなにも暑い日が続く七月の季節は記憶に残されていない。    庭と垣根沿いの道路周辺の掃除を毎日私は繰り返しているが、このと

亀、やや咲き初めた百日紅

 昨夜も夜遊びに出かけた。帰宅したのは今日の午前零時半。    七時過ぎに起きると、家事に追われ、庭掃除をやりながら、鳴き騒いで寄って来るスズメたちにご飯をあげていると、汗だく。まだ九時過ぎだが、最近猛暑日が続

真っ黒だった

濁った水なんて 嫌い あなたはなぜこんな非難を投げたのだろう わたしもまだ見たことのない水   いや ずいぶん昔 一度だけ見た 蝶々が この水の上に止まっていた   違う 白じゃなかった 確か真っ黒だ

蛇口

 流し台の水槽に深さ五センチほどの水がたまっている。記憶のある流し台だから、きっと我家の台所のそれに違いない。排水口が詰まっているのだろう。水が流れていない。けれど誰もゴミ受けのバスケットにたまったゴミを掃除しようとはし

美馬翔の「余儀ひろみの履歴書」を読む。

 美馬翔さんからこんな同人誌を送っていただいた。    「白鴉」26号 編集/同人共同編集 発行/白鴉文学の会 2011年12月5日発行    この同人誌の中で美馬翔は「余儀ひろみの履歴書」という作品

きょうは十三回忌だね

Ⅰ きょう ボクの家からえっちゃんは転居した   極楽に住む えっちゃんになった   いや それとも 地獄に住む⁈     Ⅱ 待て ちょっと違う   あの世の極楽は え

芦屋ビーチクラブ その118

 昨夜まで、きょうの芦屋ビーチクラブは休もうと思っていた。だって、七月十九日は亡妻の十三回忌だもん。  朝五時半ごろから仏前の周りを綺麗にした。ダイニングのシャッターは上げたが、リビングや寝室のそれは下ろしたまま。  花

亀・夜遊び・百日紅

 きょうは土曜日。十一時頃から亀の池の掃除を始めた。    朝七時ごろ目覚め、家事をこなした。きょうは洗濯もした。とにかく、毎日暑くて、何か作業したら汗だく。洗濯物がたまって仕方ない。今は四日おきくらいにやって

その名は

他の人は 食事のお付き合い してくれるのに   ひとりだけ してくれない人がいる その名は   えっちゃん     ⁂きっと猛暑日だろう。2026年7月17日、正午の炎天下を芦屋浜

この手を切って

 谷川沿いの小道を子供たちが歩いている。七、八十人はいるだろうか。幼稚園児、いや、それとも、小学校低学年の子供たちかもしれない。みんな黄色い帽子をかぶっている。こんなところを、こんなおおぜいで歩いているから、きっと遠足じ

詩誌「リヴィエール」207を読む。

 永井ますみさんから詩誌が送られてきた。    「リヴィエール」207 発行所/正岡洋夫 2026年7月15日発行    今回は、十四人の執筆者が十五篇の詩作品、エッセイが六篇、また、下前幸一詩集「寄

芦屋ビーチクラブ その117

 ブルーサンタって何? だってサンタさんは赤と白で飾られているんじゃない。  ところが、そうじゃなかった。ブルーサンタって、あるんだ!    きょう、七月十二日が海の日。ブルーサンタの日。みんなでブルーサンタの

亀と愛犬ジャック

 真夏日がやって来た。  昨日あたりから陽射しが変わった。頭頂へギラリと射しこんでくる。ギラリンチョ、ギラリン。例えばこんな音を脳内に響かせて。  それでも私は正午、十二時前後におおよそ四十分、炎天下、近くの親水公園を抜

なにもかも なかったけど

庭に原色の花が開いている まっ赤 真っ青 小山になって盛り上がって   誰が植えたのだろう 植えた記憶なんてないのに   そう呟いた瞬間 眼前に ねずみ色の複雑な針金細工が浮かんでいた  

つるりん

穴があいている そんな声がした   鏡に映った体の下腹部に大きな穴があいていた 鏡にあいた穴か 体にあいた穴か   何度も手のひらを押しあててまさぐってみたが 確かめるすべはなかった   ち

色あせた色

狂ったようなお花畑をさまよっていた 紅 濃緑 赤紫 激しい色彩の中を   これでいいじゃん あの頃はそう思っていた   でも ホラ みんな崩れても 汚泥の中を まだ さまよっている 今も まだら模様に

念のため頭を洗った

台風が来た 思い出を吹き散らして過ぎた 台風と言っても 室内台風だが   いや違う 室内じゃない 脳内だ   今夜も荒れそうだ 頭が吹き千切られて カーテンを脳汁が汚すかもしれない   台風

「ブーゲンビリア」第2章第6号を読む。

 直樹一雄さんから詩誌が送られてきた。    「ブーゲンビリア」第2章第6号 発行者/直樹一雄 2026年7月1日発行    この詩誌は四人の執筆者が詩作品を十二篇、エッセイ二篇、自伝風作品一篇、コメ

亀、女、池。

 きょうは、午前零時半ごろ帰宅した。  今週を振り返れば、夜の街を飲み歩いて、火曜日は水曜日の午前二時頃ごろ、木曜日は金曜日の午前零時半ごろ、金曜日は先に述べて通り、きょう、土曜日の零時半ごろ、家にたどり着いていた。  

詩誌「ガーネット」VOL.109を読む。

 やまもとあつこさんから詩誌が送られてきた。    「ガーネット」VOL.109 編集・発行/高階杞一 空とぶキリン社 2026年7月1日発行    十人の詩人が十八篇の詩を発表している。また、アンケ

ポエムマガジン「モデラート」第59号を読む。

 岡崎葉さんから送られてきた詩誌を読んだ。    ポエムマガジン「モデラート」第59号 編集発行人/岡崎葉 2026年7月25日発行    この詩誌は八人の詩人の八篇の詩、さまざまなエッセイや絵、「モ

クロソウスキーの「わが隣人サド」を読む。

 この著者の小説、「歓待の掟」と「バフォメット」をこれまでご紹介してきたが、今回はこんな論文のページを開いてみた。    「わが隣人サド」 クロソウスキー著 豊崎光一訳 晶文社 1986年1月20日五刷 &nb

亀、路上を行く。

 きのうは午前三時に起きて、「ある恍惚」という詩と線画を「芦屋芸術」のブログに投稿。  五時半ごろから家事を始める。やっと晴れ間が出てきて洗濯も。  七時過ぎから亀の池の掃除。    亀の池の掃除は、毎週土曜日

ある恍惚

完全に閉鎖された状況 音信不通   完全に一人暮らしを強制された部屋 監禁   二人だけの妄想の中で 孤独に一人で生きる   恍惚

芦屋ビーチクラブ その116

 きょうの朝は小雨がぱらついて、芦屋ビーチクラブの活動は中止。  といっても、リーダーの中村さんと千美恵さんは小雨をものともせず、芦屋浜の清掃作業 を実行している。驚きモモノキ、だった。    ところで、きのう

白いキキョウ

あなたの体が 焼却炉に入った   心の中に 骨が 残った   だから あの日から   この心が 墓場だった     *写真は、今年も咲いた白いキキョウ。あなたが遺した花が

闇黒問答

 一見、この暗黒には果てがないように見える。だが、立ち止まって、よく考えていただきたい。どうだろう。すべてが崩壊してほとんど粉末状態になって闇黒をさまよい続けていると、ちょっと想像してごらん。そうじゃないか。暗黒のままで

「芦屋芸術」二十六号が出来ました!

 「芦屋芸術」二十六号が出来ました。奥付では7月1日発行になっていますが、きのう、我が家にやって来ました。こんな内容です。   contents 誕生―桜に寄せて                       

空虚

どしゃぶりになってしまった 傘もささずに   まあ あがれ 久しぶりじゃないか   おい 食事の時くらい手袋を脱いで マスクを取ったらどうだ   ごっこはやめろ! ―ここで テーブルをたたく

二人だけの一人暮らし

 外界と内界をつなぐ穴という穴はすべて施錠してある。玄関ドアも勝手口、テラスもベランダも、一階の窓、二階の窓、窓という窓もすべてだ。    だったら、何故、気配を感じる。Ⅿひとりじゃないか。一人暮らしじゃないか

もう音はいらない。色をください。

やめてください。そんな声がした。どこで? 誰が? いつ、叫んだのか、皆目わからなかったけれど。   細菌、いや、違った、最近、耳が遠くなっているはずなのだが。一メートルくらいしか離れていない人がしゃべっていても

芦屋ビーチクラブ その115

 おとつい、金曜の夜、いつものスナックで飲んでいると、 「あした大雨。きっとお客さん来ないと思う。ヤマシタさん、お願い、あした、来てね」 「ウン。だけど日曜の朝、芦屋浜の掃除やるから、いつもより早くタクシー呼んでね。せい

亀、女、花、そして雨。

 昨夜もいつものスナックで右端の壁から出ているカウンター席に座って右肩を壁にもたせて、タバコをふかし、ウイスキーのグラスを傾けていた。  ここのスナックのチーママは私の唄う曲を熟知していて、「ヤマシタさん、入れたよ」、そ

破裂音が耳をつんざいていた

 ほとんど―ここでMの思考は止まった。どうしてこんな副詞が口をついて出て来たのだろう。  ここから先は闇に消えていた。頭には何も浮かんでこなかった。いや、待て。私はすでに死んでいる―こんな言葉が出てきた。  だったらこう

くつくつ と

 どうやら不況から脱出したようだ。ひどいものだったからなあ。  田圃はいちめん枯れてしまって、鬼遊びもできない始末だった。まして、じゃんけんぽい、なんて。    だから    深みに 落ちた  割れ目

だが、それは

 超人的に生きねばならない。深夜、Ⅿはそういう結論に達した。だけど、人を超えるっていうことは、機械になることだっけ。そうじゃないだろ。菜の花畑になったり、イカや鯛やマグロになって、寿司屋に並んだりして。ニンゲンと大トロと

ユリに出会う

六月の真昼 小雨の中 いつものように 芦屋浜から 総合公園を歩いた   花壇には ユリの花が盛り 白 黄 オレンジ 桃色 赤 紅 さまざまな形に突き出した 大きく開いた花びらを支えて 細長い葉っぱをいっぱい生や

詩誌「現代詩神戸」293号を読む。

 永井ますみさんから詩誌が送られてきた。    「現代詩神戸」293号 編集/今猿人・神仙寺妙・永井ますみ 2026年6月10日発行    十九人の作家が詩を発表している。また、エッセイは二篇。そのう

芦屋ビーチクラブ その114

 未明、二時半ごろ、ベッドに横たわった私の頭に閃きが来た。すぐに机に向かってノートに走り書きをした。  ふたたび眠りに落ち、四時半ごろに目覚めた。ダイニングルームでパソコン相手に先程の走り書きを作品にまとめてワードに清書

亀、店仕舞、割れた鉢、時は流れて。

 昨夜はいつものスナックで遊んで、なぜか、ウツウツとして、少し早く帰宅した。十一時半過ぎには我家の扉が開いていた。    なぜ、酒やタバコを唇へ運びながら心楽しまず、ウツッとしてしまったのか。  年内でスナック