芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

たけにしよしかず個人誌「季刊ぽとり」第68号を読む。

 この5月11日に開催された日本詩人クラブ関西大会は大阪キャスルホテルが会場となったが、大会終了後の懇親会、それは夕方の五時半ごろから始まった。その折、初対面ではあるが同じ食卓に同席した竹西さんからこんな詩誌を頂戴した。

 

 たけにしよしかず個人詩誌「季刊ぽとり」第68号 編集発行人/竹西良和 2022年12月1日発行

 

 この詩誌の特集は「夢」となっている。すべて編集発行人の作品で、詩作品が三篇、その他に、「万葉集を読む46」と「ポトリの本棚 W・エンプソン著『曖昧の七つの型』を読む42」、最後に「エッセイ27 夢の話」。このエッセイでは、「昔の人が見た夢」を取り上げている。現代人のさまざまな生活の中から生まれる夢とは異なり、遠く離れた過去の村里などの寝床から生まれた夢だった。

 ただ、このたび論述された万葉集で出て来る夢と、現代人の脳裏から出てくる夢の中で、性愛の夢には同じ切実な根元が生きているのかもしれない、この詩誌を読んでいて、私はそんな感慨を抱いた。