芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

世界の詩集第1巻「ゲーテ詩集」

 この詩集はワイフの遺品である。全十二巻の第一巻。ボクは彼女がこの世を去ってから、遺された彼女の本を出来る限り読んでしまおう、特にボクと出会う前に彼女が読んでいた本を。この詩集もそんな本の中の一冊である。  

「ふたりだけの時間」について

 きょうはボクのワイフの三年目の命日である。ちょうど二年前のきょう、二〇一五年七月十九日、仏教で言えばボクのワイフの一周忌の夜のことだが、我が家で二十人近い友達や息子夫婦を呼んで、ボクのエレキギター演奏をバックに、ケータ

さとう三千魚詩集「浜辺にて」

 この詩人の作品の本質を言えば、「海を見つめる言葉」といっていいだろう。そこにはもちろん海はある。そして海につつまれて突堤があり、無数の波があり、突堤に打ち砕かれたしぶきがあがり、両耳には騒ぐ海の音と、頭上から落ちてくる

源信の「往生要集」

   空海はその主著「秘密曼荼羅十住心論」で、十章ある十住心の第一章、第一住心を「異生羝羊住心」と規定している。異生とは凡夫、羝羊は雄羊。性欲と食欲のおもむくままに生きている生命体(人間)を宗教哲学的に分析して