芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

さとう三千魚詩集「浜辺にて」

 この詩人の作品の本質を言えば、「海を見つめる言葉」といっていいだろう。そこにはもちろん海はある。そして海につつまれて突堤があり、無数の波があり、突堤に打ち砕かれたしぶきがあがり、両耳には騒ぐ海の音と、頭上から落ちてくる