芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

十年間 だった

 雨が降りそうで降らない。曇天ではあるが、時折雲の切れ間から陽が差し込み、蒸し暑い。Tシャツの背中ばかりか胸のあたりまで汗が。

 やはり今日も真昼の旅に出かけた。旅といってもいつもの親水中央公園経由、芦屋浜めぐり、六甲山を仰ぎみて総合公園へ。帰路は親水西公園からふたたび中央公園まで。

 浜と海と空を見つめていると、頭の天辺にこんな文字が現れた。何故だろう。曇り空が影響しているのか。こんなサウナの中を歩いているからか。昼なのに人っ子一人いないからか。頭の天辺に印刷されたこの二行を牛のように反芻しながら、汗だくで帰宅した。

 

 十年間

 ふらり ふらりん だった

 

 

*写真は、総合公園の南側の一角に咲く花。年配の女性が一人でお花畑の世話をしている。無償で。