芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

島が来る

島が来た

わたくしに 島が来た

 

島が来て

初めてわかることがある

 

あらゆる人に

島が来る

 

それは無人島だ

なにもない

 

一本の骨もなかった

この島には

 

骨どころではない 生命もない

物質もない 波も 浜も 一粒の砂さえ見えない

 

わたくしは 無人島に上陸して

調査した

 

浄土なんてなかった

それどころか 無も 神も 音もなかった

 

生命は

物質の最終段階だった 生成するものの最終処分場だった

 

さあ その先は

無人島だ