芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

使者

<Ⅰ>  言うまでもなく彼は憔悴していた。使者に任命されたのは確かだった。眠っているとき、編み笠を被った得体のしれない人間が彼の右肩の側に立ち、赤い封筒を枕元に置いた。「あの女に届けよ」。低い乾いた声。命令が下され、しば