芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

アルファさん 第十三夜

 未明に歌を歌っていた。  ハスキーでときどき音程も狂っていたけれど、ボクは魅入られて耳を傾けていた。どう言えばいいのか。夜が明けるまでこのままでいて欲しい、叶わない願いを込めて。  もっと狂っていいと思った。アルファさ