芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

アルファさん 第四夜

 声が聞こえた。  オメガちゃん、ここよ、ここにいるよ。  午前三時三十八分。  小さな沼に群生する冬枯れたヨシの間から、アルファさんの顔がのぞいていた。この沼にアルファさんは住んでいるのだろうか。こんなところで暮らして