芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

詩誌「鳥」76号を読む。

 榎本三知子さんから詩誌が送られてきた。彼女とはずいぶん昔、「土星群」という同人誌でご一緒した。私にとって詩作を通じて出会った懐かしい人の一人だった。    詩誌「鳥」76号 編集者 佐倉義信/なす・こういち/

貴公子の一夜

   四月の貴公子がかぼちゃ造りの馬車に乗ると、ナノハナの編上靴を履いたフォークとナイフの馭者たちはツツジの鞭を振りかざし、数えきれないモンシロチョウは馬車をヒラヒラ引きずりながら、春の向こうへ、季節の彼方へ。