芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

クスグッタカッタ

寝床カラ起キアガルト 背中ニビッシリ牡蠣殻ガコビリツイテイル ソレハ腐ッタ船底ダッタ   ダガ決シテ幽霊船デハナカッタ 何故ナラ 七十三年ノ歳月ガ   キャビンデスープヲ啜ッテイル間ニ 過ギ去ッテイタ

たそがれと夜のくちびる

メガホンに押しあてた くちびるが たそがれているなら この小さな円錐形を 夕空の涯まで拡大した 見えないメガホンの世界は もうすぐ夜だといえるだろう   無限大の夜の中で くちびるは ひとりぼっちだった