芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

親水公園にて その25

あの女に 手紙を書いていた   無視されるのは わかっていた   それでも 書いていた   きょうも この木の下に立っていた 手紙を出したのを 後悔して     *お昼過

虫の息

 あの女は巨大だった。私は毎晩、彼女の手のひらの上で寝ていた。  だが、状況が徐々にわかってきた。決してあの女が巨大なのではなかった。姿見に映った私はゴキブリだった。彼女はゴキブリが怖くて、嫌悪していた。明るい台所で私を