芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

白いワイン

 こんな鄙びた駅の構内に瀟洒なカウンターがあった。私の左に女医、右に会長が立っている。彼らの前には赤ワインが注がれたワイングラスが置かれているが、私には水が入った円筒形のコップが出されている。  カウンターの奥に腰かけて

亀と白い彼岸花 その2

 いきなり涼しくなってきた。朝夕はヒンヤリする時もある。長袖が欲しくなる。  けさ、一週間ぶりに八時半ごろから亀の池を掃除した。気温が低くなったからだろう、心なしか亀の動きがおとなしい。それでも時間がたつにつれて、体があ