芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

たそがれの果てに

 なにもかも崩れていくのが、わかった。なぜもっと早く気づかなかったのか、耳をつねってみても、思いあたる節はなかった。  確かみぞれが降っている冷たいたそがれ時だった。軒をたたいている音が脳裏を鮮明に刻んでいる。パラパラパ