芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

消えてゆく人

 わたくしはひとりだった。  ここではさまざまな人が働いているのだとばかり思っていた。しかし、それは虚妄だった。  音もなかった。別に眠っているわけではない。目覚めているのだが。言葉さえ聞こえなかった。無音で、無言だった