芦屋芸術|芸術誌・現代詩・小説

くつくつ と

 どうやら不況から脱出したようだ。ひどいものだったからなあ。

 田圃はいちめん枯れてしまって、鬼遊びもできない始末だった。まして、じゃんけんぽい、なんて。

 

 だから

 

 深みに 落ちた

 割れ目には 底がなかった

 

 肌に

 桃色の葉脈が走っていた

 

 やかんで

 血を沸かせていた

 

 くつくつ と 音がした