Ⅰ ひとり
ふたつの手のひら
指 十本
かさねあわせ
乱れ
足裏から
脳天へ
紅紫の火の玉が
燃えあがり
目を閉じて 火炎を見つめる ふたつの眼球
Ⅱ ふたり
よっつの手のひら
指 二十本
錯綜する 迷路を描いて
もう だめ これ以上は やめて
ふたつの くちびる
そのひとつ 紅色のすき間から 吐息が流れている
どうぞ やめて ください
いつのまにか 手のひらも 指も 溶けて 消え
目を開けて 耳を見つめあう よっつの眼球
Ⅲ ひとり ふたたび
あんな時間もあったね
指 二十本
よっつの 手のひら
触れあう ふたつの 右耳