芦屋芸術|芸術誌・現代詩・小説

ひとり遊びとふたり遊び

Ⅰ ひとり

 

 ふたつの手のひら

 指 十本

 かさねあわせ

 乱れ

 

 足裏から

 脳天へ

 紅紫の火の玉が

 燃えあがり

 

 目を閉じて 火炎を見つめる ふたつの眼球

 

 

Ⅱ ふたり

 

 よっつの手のひら

 指 二十本

 錯綜する 迷路を描いて

 もう だめ これ以上は やめて

 

 ふたつの くちびる

 そのひとつ 紅色のすき間から 吐息が流れている

 どうぞ やめて ください

 いつのまにか 手のひらも 指も 溶けて 消え

 

 目を開けて 耳を見つめあう よっつの眼球

 

 

Ⅲ ひとり ふたたび

 

 あんな時間もあったね

 

 指 二十本

 よっつの 手のひら

 触れあう ふたつの 右耳