夜のスナックでグラスを傾けながら、私はさまざまな人とおしゃべりをして楽しんでいる。口の中へは、いつも、基本的には、ウイスキーの水割りを落として。
また、そこで知り合った酔客やスナックのスタッフたちと、別の日、少し贅沢な食事を挟んで、主に彼女の過去のさまざまな物語に耳を傾けている。不思議な女のつづれ織り。私の内部の織機に織り返されて、作品になって頭に浮かんでくるのだった。ある種、私の内部は、奇妙な盗作製造機なのかもしれなかった。
金曜日の夜は既に習癖になってしまったが、いつものスナックを二軒回り、帰宅したのは午前零時を過ぎていた。ベッドに横たわり、目覚めて、あれこれ家事を済ませ、土曜日にいつもやっている亀の池の掃除を始めたのは、九時半ごろだった。
涼しくなっていた。昼間はまだ夏日が続いているが、朝夕は、繰り返しになってしまうが、涼しくなっていた。
*写真は、庭で遊ぶ亀。彼の右側には、彼の家、小さな池が見えている。左側には、亡妻の相続財産、紫のアメジストセージと空色のサルビア・アズレア。今年もきれいに咲いてくれた。彼女のように眼前に浮かんでいる。
白い彼岸花はほとんど枯れてしまった。花言葉、再会を遺して。