芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

芦屋ビーチクラブ その83

 きょうは日曜日。もちろん、言うまでもなく、朝は芦屋浜へ出かけ、芦屋ビーチクラブに参加。浜の北側を東西に走る堤防沿いの雑草を抜いていた。

 こんなことがあった。堤防の階段を散歩しているワンチャン連れの友達にあった。「いつもご苦労様。浜がキレイになって助かります」。そんな声が私の耳まで届いていた。

 しばらく雑草を抜いていると、地面に向かってうつむいた私の眼前に四つの足が立っていた。二つはニンゲン、もう二つはワンちゃんの前足だった。やはりワンチャン連れの別の友達。「キレイにしてもらって、みんな助かってます」

 この二組とも昔からのワンちゃんの散歩仲間。浜で彼等と出会って、九年前に亡くなったジャックが私の頭へ浮かんでいた。黒のラブラドールだった。飼い主が言うのもなんだが、家族の一員だった。それほど、愛しあっていた。毎日、朝夕、亡妻と三人でこの芦屋浜を散歩した。昔のワンちゃん仲間二組と出会って、ジャックと亡妻を身近に感じながら、雑草を抜き続けていた。

 

*写真は、十月半ばの芦屋浜。曇天だった。