芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

銀粉になって

城の夢を残したまま

宮廷住まいの鳥たちは死んでゆく

 

わたくしのふくらはぎには

あなたのくちびるのかたちがいつまでも

 

でも 悔恨なんてしていない

たったひとつの死があるだけだから

 

一枚一枚 衣装を脱ぎすてながら

おそるおそる まはだかになりながら

 

銀粉になって崩れ落ちる

その日へひとり 近づいていくのです