芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

「芦屋芸術」の夜

 昨夜七時頃、阪神芦屋駅前の喫茶店「西村」でボクは北野辰一と落ち合った。彼は友人の若い男を連れていた。若い男、國分啓司という男だが、来年発行する「芦屋芸術十号」に寄稿したい、とそういうことで、ボクラ三人はあれこれとりとめもないおしゃべりを続けた。國分はなかなかのヤサオトコだった。だが、やはり、コーヒーではものたりなくて、近くのイタリアレストラン「ジョバンニ」へ足を運んだ。

 ボクと國分は生ビールをたのんだが、北野は焼酎のハイボールを注文した。あいかわらず、とりとめもないおしゃべりがえんえんと続く中、いつのまにか、テーブルでは白ワインのボトルが一本、空いていた。「席を変えるか」、ボクは立ち上がりざま、そうつぶやいて、彼等をうながしていた。

 最後は「みずかみ」で、日本酒を飲み続けた。ふと目を開けると、ボクは我が家のベッドで寝転んでいた。