芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

中秋の名月に、会えなかった。

 きのう、九月十三日、中秋の名月の日は、未明から雨が降っていた。朝方にはその雨も絶え、一日中、どんよりしている。だが、それでも、夜の七時前、ボクはそそくさと芦屋浜へ出た。コンクリートの階段になっている堤防に座り、空を見上げていた。

 やがて、南から北に向かって、曇天がもうもうと動き始めた。ひょっとしたら、空が晴れるかもしれない。いや、晴れなかった。曇天は北へ動いても、また、南から曇天が来た。三十分ばかり座っていたが、あきらめて出直すことにした。

 午後九時、玄関を出て空を見上げ、雲に覆われていることを確認。

 翌日午前二時半、玄関を出て、やはり、コリャ、ダメだ。

 シマッタ! 午前六時前まで寝てしまった! 快晴だった!