芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

川の名は?

悪口が いっぱい 流れていた

 

悪多川 流飲助

 

 

*彼に面と向かって罵られた悪口ではなかった。彼のあずかり知らないところで、ひそかに、さまざまな人に言いふらした悪口だった。そのさまざまな人が、こんなこと言ってたよ、彼に後日教えてくれた悪口だった。

 だとしたら、つまり、悪口は間接話法だった。彼の背後に流れる汚物だらけのどぶ川だった。その川は、悪口をまくしたてるその唇から流れていた。