芦屋芸術|芸術誌・現代詩・小説

野原に一本の黒くて長い柱が立っていた

ちょうど画用紙のまんなかを

上から下まで太い墨の線を引いたみたいに

空といちめんの草が生い茂る風景を二分していた

わたくしは昔からそんな草むらで暮らしている

草の実を食べたり 昆虫を食べたりして暮らしている

しばしば健康のために 爬虫類や哺乳類も食べている

ただ 炎天下

草いきれに耐えかねる日には

ムックリ起きあがり

きまってわたくしは ヒンヤリした黒くて長い柱にしがみついている 

だが ときに それは生物のように激しく震えた

たそがれ 柱の左側の夕焼け空から塵や埃がパラパラ散って

しがみついているわたくしの左肩に降りつもった 赤く染まっていた