芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

世界の詩集第十二巻「世界女流名詩集」

 この詩集が「世界の詩集」全十二巻の最終巻である。女流詩人五十四人が登場する。「女に生まれて」、「恋愛と結婚」、「あこがれ・孤独・別離」、「自然ー四季おりおりの詩」、「時と永遠」、「世界の苦悩ー平和への祈り」、以上、全六章、百十二編の詩作品で構成されている。

 世界の詩集12「世界女流名詩集」 深尾須磨子編 角川書店 昭和43年1月10日初版

 今日は亡妻の三年五ヶ月目の月命日である。この詩集を彼女は二十歳の時に読んでいる。今、ボクは同じ詩集を読み終えて、本を閉じた。もうボクにはこれ以上、語る言葉はない。ただ、読んだばかりの詩人ザイデルの詩「幼年時代の庭よ」の一行目と二行目がボクの脳裏の闇に浮かんでいる。

 私がおまえのものだったときを、

 おまえはまだおぼえていますか。(本書20頁)