芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

頭蓋骨崩壊

頭の中で

雨が降り続けていた

しとしと 十年間

毎晩

 

胴体の皮も手足の皮もメチャクチャ破れて

ネチャネチャ崩れ始めて

お粥になって

味噌汁状態になって

 

顔も

思い出も

ぜんぶ豚汁になって

ねちょねちょ震え 流れ去り 部屋には汚臭だけ残し

 

床の上に 最後に転がった頭蓋骨も崩れ出した