芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

望遠鏡の恋

 この二年間というもの、何ものかに見つめられている、得体も知れない何ものかに……そんな苛立たしい妄想に悩まされて、わたくしは憔悴した日々を送っていた。殊に深夜から未明にかけて巨大な眼球にじっと凝視され観察されている不安に