芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

円形

 愛猫アニーが歩いている。ダークグレーな空間を。そこはおそらく薄暗い廊下なのかもしれないが。

 猫トイレの中にうずくまっている。そう思った瞬間、彼女の姿は消えて、猫砂の上に、円形の柔らかい、ほとんどスープ状の排泄物が残されている。

 そうだ。あと二か月後、十一月十九日、彼女の四年目の命日を迎える。猫砂の上に、円形の黄色い排泄物だけを残して。