芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

松村信人の「似たような話」を読む。

 縁あってこの本を手にした。しかし、縁とはいっても、限りない偶然の果て、この本を開いていた。    「似たような話」 松村信人著 思潮社 2018年10月1日発行    これも偶然だったが、著者と私は

こうして死に近づいていくのです

彼は一日二個のゆで卵を食べている 朝 一個 昼 一個   十年前 妻を喪ってから 毎日 朝と昼を自分で作っている 夜はいつも外食だが   だから 一日二個の卵の殻をむく 十年一日の如し きょうまで七千