芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

ひととき

 きょうまで追いたてられて生きてきた。朝、インスタントコーヒーをすすりながら、仕事に出かけるまでのわずかなひとときを、こんな思いに彼はひたっていた。  いったい何に追いたてられてきたのだろうか。借金取りだろうか。待てよ。