芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

穴の向こう側に

 限りない淵がある。今夜、それを覗くまでは、そんな淵があるなんて、まったく信じてはいなかった。そればかりではなく、まるで興味もなく、まして詮索するなどは思いも寄らなかった。  確かに深い淵は我が国土にも散在しているだろう