芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

源泉へ

 少年時。私は薄暗くてまるで蜘蛛の巣のように迷路になった酒蔵の谷間をあてどなく彷徨したものである。ある時は曲がりくねった道を背後から何ものかに追いかけられている心地がして、どきどきしながら歩き続けていた。直進しているかと