芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

ドングリの木の彼方まで

 広い草原のまんなかに大きなドングリがなる木が一本立っていました。まだ二十歳になるかならないか、そんなふたりが連れだって木をよじ登っていきました。風が吹く度、背中の辺りで木の葉がザワザワ騒ぎたてました。風にユサユサ震えて