芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

消えた両足

 耳もとでザラザラしたノイズが騒いで、前頭葉に張り付くような砂の映像がカチカチ固まり始めた瞬時、私はベッドに寝ころんだまま闇に浮かぶ天井を見つめていた。午前二時十六分。何故か耐えがたい寂寥感にかき乱されていた。すべては無