芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

無縁の人

 昼過ぎ、いつものように芦屋浜の散歩から帰ってくると、我が家の庭に、おそらく私と同世代の七十代半ば前後だろうか、男と女がいた。  男は前庭の西側の隅に立って、ややうつむき加減の姿勢で、スマホのようなものを見つめている。右