芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

別れの合図

また、ここにもどってきた。もう二度と、帰らないと、誓ったはずなのに。

 

瞳が浮かんでいた。いったい誰の? おそらくは、あの……確かに浮かんではいるが、いかなる動力で空中移動しているのか、皆目わからなかった。それは無音だった。

 

静かだ。この静けさを破るのは、スマホの着信音だけだった。

 

 これでいいのだ

 いまは 束の間 天井に 瞳が 浮かんでいるだけで

 

 ひとつの別れの合図だろうか