芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

どうにもならないもの

 黒い穴が開いていた。埋めようとしても無駄だった。もはやなすすべはなかった。

 致し方ない。彼は現在の自分から過去へ、幼年時代へとイメージをさかのぼり、さまざまな場面の頁を繰り続けた。だがしかし、頭の中心の黒い穴だけは如何ともしがたかった。

 ポッカリ開いていた。頭の中心部の黒い穴は不動だった。